プーチン邸、無人機攻撃主張に証拠なし　独仏がロシア説明に距離

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2025.12.31

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ロシアが「ウクライナ軍がプーチン大統領の公邸を無人機で攻撃しようとした」と主張する件をめぐり、ドイツとフランスの当局者は2025年12月30日、裏付けとなる証拠は把握していないとの認識を示した。和平に向けた協議が動く局面で、根拠の示されない重大主張がエスカレーションの口実になり得るかが焦点になる。

疑惑が示すのは「証拠の空白」そのもの

ドイツ政府は、ロシア側の主張について独自に確認できる情報はないとした。フランスでも、マクロン大統領に近い筋が、ロシア当局の説明を裏付ける材料はないとの立場を示した。主張の重さに対して、映像や残骸などの「物証」が提示されていない点が、欧州側の受け止めを決めている。

ロシアは、北西部ノヴゴロド州にある大統領の公邸を、ウクライナが長距離無人機で狙ったとしている。ウクライナ側はこれを否定し、和平協議を妨げるための作り話だと反発している。攻撃の成否以前に、何が起きたのかを第三者が検証できない状態が続けば、前線の軍事行動とは別に情報戦の疑心暗鬼が膨らみやすい。

和平の入口で、欧州が警戒する「口実」

ドイツは、今回の主張がウクライナとの紛争を拡大させる口実として使われかねないという、ウクライナ側の懸念を共有する姿勢も示した。フランス側の関係者も、ウクライナとパートナー国は平和への道を進むと約束している一方で、ロシアが戦争の継続と激化を選んでいると非難し、トランプ米大統領の和平計画への反抗だとの見方を述べた。

論点は、①根拠の示されない重大主張が交渉の姿勢を硬化させるのか、②逆に「疑惑の応酬」を抑え込む検証ルートを作れるのか、の二つに割れる。公邸攻撃のような象徴性の高い話が独り歩きすれば、各国の国内世論や報復の論理が先に立ち、停戦条件の詰めが遠のく懸念がある。欧州が重視するのは、追加の挑発を避けつつ、証拠の提示と検証を求める姿勢を崩さないことだ。

疑惑が示すのは「証拠の空白」そのもの

和平の入口で、欧州が警戒する「口実」

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