ロシア外務省、米国の制裁封鎖に懸念　国際海運への影響警告

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2025.12.19

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ロシア外務省は2025年12月18日、米トランプ政権がベネズエラを巡って進める「制裁対象タンカーの出入り封鎖」を念頭に、国際海運への脅威になり得ると懸念を表明した。政治が海上の通行を左右し始めたことで、原油だけでなく船主や保険、航路選択までが「動けない」空気に包まれている。

「待機」というコストが、海上で膨らむ

米国は制裁対象の船舶に対する取り締まりを強め、ベネズエラ沖では押収を恐れたタンカーが足止めされる構図が広がっている。ロシア外務省は、こうした一方的な決定が国際海運を脅かすとした上で、緊張の連鎖が西半球全体に予測不能な結果をもたらしかねないと警告した。船が止まれば、荷主だけでなく港湾、用船、市況にも遅れて負担が回る。

一方で、輸出を完全に止められない現実も透ける。Reutersによると、ベネズエラは12月18日、中国向けの大型タンカー2隻の出港を認めたという。いずれも制裁対象ではないとされるが、追跡装置を切る動きも取り沙汰され、透明性の低下が新たな摩擦を呼ぶ火種になる。海運会社向けには、リスク評価と関連先確認を強めるべきだとの注意喚起も出ている。

米国の圧力とロシアの牽制、出口はどこにあるか

ロシア側のメッセージは、対米非難にとどまらない。外務省は、ワシントンとカラカスの対話正常化を求めつつ、トランプ政権が「致命的な過ち」を犯さないよう期待すると述べた。背景には、拿捕や封鎖が常態化すれば「制裁の適用範囲」が海上で恣意的に拡張し、商業航行の前提が揺らぐという危機感がある。海上交通は軍事と民生が隣り合わせで、境界線が曖昧になりやすい。

ベネズエラ側は、封鎖を主権への脅威として国連に働きかけている。テレビ朝日などによれば、マドゥロ大統領は国連のグテーレス事務総長との協議で米国の措置を非難し、国連憲章の尊重と緊張緩和の必要性が示されたという。Al Jazeeraも、米国の封鎖方針や国連安保理への申し立てを伝えている。軍事と制裁が同じ海域で重なる以上、当面の焦点は「どこまで実力で止めるのか」という運用の線引きであり、そこが曖昧なままなら、海運は慎重さを上積みするしかない。

「待機」というコストが、海上で膨らむ

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