ロシア国営ガス大手 ガスプロム、2025年に中国向けが欧州上回る

ロシア産ガス、中国向け供給が欧州抜く 制裁下で輸出構造の転換鮮明

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ロシア産パイプラインガスの重心が、欧州から中国へと明確に移った。ガスプロムは2026年1月12日、2025年の中国向け供給が初めて欧州主要国向け合計を上回ったと発表し、制裁と需要減が輸出構造を塗り替えつつある現実を示した。

「シベリアの力」で対中388億立方メートル 欧州向けを逆転

ガスプロムの発表としてタス通信は、2025年に中国へ供給した天然ガスが388億立方メートルと、2024年比24.8%増だったと伝えた。輸送はロシア極東から中国へ送るパイプライン「シベリアの力」を通じ、欧州向け(CIS域外の欧州諸国合計、トルコを含む)を初めて上回ったという。数字は、欧州市場の縮小を前提に輸出の軸足が固定化しつつあることを示す。

ロイターによれば、388億立方メートルは契約上の年間目標(380億立方メートル)を上回り、設備の設計能力とされる水準も超えた。2019年末に稼働した同パイプラインがフル稼働域に入ったことで、ロシア側は「東方シフト」を実数で示しやすくなった一方、欧州で失った市場規模をそのまま代替できるかは別問題として残る。

周辺国向けも増加 追加パイプラインは価格交渉が焦点

タス通信は、中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス向けの供給が合計で22.2%増え、ジョージア向けも40.4%増えたと報じた。近隣国向けの増勢は、欧州向けの落ち込みを補う「受け皿」を広げる動きだが、輸送網や契約条件の制約が大きく、短期での急拡大には限界がある。

ロイターは、さらなる供給拡大策として「シベリアの力2」など追加ルートの協議が続く一方、価格条件が交渉の難所になっていると伝えている。直接の当事者ではないものの、欧州からアジアへガスの流れが組み替わるほど、LNGを含むアジアの調達環境も連動して揺れやすい。エネルギー安全保障を巡る不確実性が高い局面では、スポット依存を抑えた長期契約や調達先分散の重要性が改めて増す。

参考・出典

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