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木原稔官房長官は2025年11月17日の記者会見で、中国海警局の船4隻が前日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に一時侵入した事案を「国際法違反で、誠に遺憾だ」と述べ、外交ルートで厳重に抗議したと明らかにした。政府は警戒監視を緩めず、冷静かつ毅然と対応する方針だ。
官房長官が抗議を表明、海警4隻の一時侵入に対応
侵入は2025年11月16日の午前、南小島付近で確認され、4隻はいずれも正午までに接続水域へ出たとされる。対象は中国海警局（中国の海上法執行機関）の公船で、日本側は海上保安庁の巡視船が退去を求めながら状況を監視した。短時間でも現場の緊張は高まり、対応は途切れなく続いた。
木原氏は会見で「受け入れることはできない」として、国際法違反との認識を示したうえ、外交ルートを通じて厳重に抗議したと説明した。政府は引き続き緊張感を持って警戒監視に万全を期し、現場は冷静かつ毅然とした対応を徹底する姿勢だ。漁船の安全確保も念頭に、関係機関の連携を続ける。
尖閣諸島は沖縄県石垣市に属する無人島群で、日本政府は歴史的にも国際法上も日本固有の領土と位置付け、有効に支配しているとする。力による一方的な現状変更の試みは容認しない立場で、中国側に行動の改善を求めてきた。今回の抗議もこの一貫した方針に沿うものだ。
続く緊張と現場の実務、抑止と冷静さの両立
公船の活動は繰り返され、周辺海域の緊張は続いてきた。領海への侵入が発生するたび、海上保安庁は退去要求と監視を継続し、関係省庁は情報共有を強める。漁船の操業や航行の安全を守ることが現場の第一の任務であり、早い段階で危険を見極める運用が欠かせない。
政府が強調する「冷静かつ毅然」という方針は、事態の不必要なエスカレーションを避けつつ、違法な行動には明確に反対する姿勢を外に示す狙いがあると受け止められる。抗議と抑止、現場の安全確保を同時に進める難しさがにじむが、重ねられる対処の積み上げが抑止の実効性を支えている。
今回の一時侵入は短時間で出域したが、こうした事案は積み重なるほど現場の負荷を高める。政府は従来の枠組みを運用しながら、監視能力の維持と国際社会への発信を続ける。静かな海を保つための手当ては、日常の作業の連続の中でこそ試される。
