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タイとカンボジアの国境地帯で9日、戦闘が複数地点に広がり、双方で死傷者が増えている。米国が仲介した停戦は事実上崩れ、これまでに少なくとも10人が死亡し、14万人以上の住民が家を追われたまま、先の見えない避難生活を強いられていると報じられる。
避難続く国境住民、砲声の中で生活
タイ側では北東部の州を中心に、学校や体育館が臨時の避難所となり、家族連れの住民が雑魚寝で夜を明かしている。AP通信や現地メディアによれば、国境地域からはこれまでに10万人を超える人々が移動し、高齢者や子どもの健康悪化が懸念されている。
カンボジア側でも寺院や学校に避難所が設けられ、農地や市場が砲撃に巻き込まれる不安から、多くの住民が生活基盤を置き去りにして国境から離れている。国境地帯では出稼ぎ労働や小規模な貿易に依存する世帯が多いとされ、国境ゲートが閉ざされれば、収入源を断たれた人々の困窮は一層深まりかねない。
避難先では支援物資が届き始めているものの、自宅に戻れる見通しは立たず、子どもの学びや家畜の世話をどう続けるか、住民は日々の判断を迫られている。短期の危機として想定された移動が、いつの間にか生活そのものの再建を考えざるをえない長期戦に変わりつつある。
米仲介停戦の揺らぎと、強硬姿勢が生む行き詰まり
今回の戦闘の背景には、7月に米国の仲介で成立した停戦合意の行き詰まりがある。Reutersや日本の新聞各紙によれば、両国はその後も国境付近での小競り合いを繰り返し、10月にはクアラルンプールで改めて休戦文書に署名したものの、地雷の撤去や捕虜の扱いなどをめぐり不信感を募らせてきた。
今月に入り、両軍は「先に攻撃された」との主張を繰り返し、ロケット弾や無人機による攻撃があったと非難し合っている。AP通信や英Guardianによると、タイ側はカンボジアが停戦を破ったとし、軍事力で相手の戦闘能力をそぐ構えを見せる一方、カンボジア側も領土防衛を掲げて徹底抗戦の姿勢を崩していない。
米国は追加制裁や関税交渉をてこに即時停戦を求めているが、当事国の国内政治や領土問題が絡む中で、外からの圧力だけでは持続的な合意は生まれにくいとの指摘もある。国連は武力行使の停止と対話への復帰を繰り返し呼びかけており、国境線という見えにくい線引きが人々の暮らしをこれ以上奪わない道筋を各国が示せるかどうかが、今後の焦点となる。
参考・出典
- Fatal Thailand-Cambodia clashes spread along contested border area
- Cambodia vows fierce fight against Thailand in escalating border conflict
- カンボジア・タイ国境問題――カンボジアの影響と対応 (初鹿野 直美) – アジア経済研究所
- Cambodia 'ready at any time' for talks to end conflict with Thailand, PM adviser says
- Thailand says tariffs must not be used to force peace with Cambodia
- UN urges restraint as Thailand-Cambodia clashes displace thousands; Security Council meets | The United Nations Office at Geneva
- タイ・カンボジア国境「攻撃受けた」両軍主張 停戦2カ月、緊張再燃:朝日新聞
