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森林伐採や土砂災害の懸念が指摘されてきた「メガソーラー」を巡り、政府が年内にまとめる規制強化策の輪郭が見えてきた。共同通信は、2027年度以降は新規の大規模案件への支援をやめる方向だと報じた。環境影響評価の拡大や監視の強化も並び、地域にとって「止める手段」がどこまで増えるかが焦点になる。
住民の不安に直結する「許可」と「監視」を厚くする
対策の柱の1つが、環境影響評価（環境アセス）の対象拡大だ。環境アセスは、事業者が自然環境や景観などへの影響を調べ、手続きの中で意見も受け止める仕組みである。共同通信によると、石原宏高環境相は12月16日の会見で、メガソーラーの対象拡大を年内の施策に盛り込む意向を示した。
現行制度では、発電出力4万kW以上は必須で、3万kW以上4万kW未満は国が必要と認めた場合に対象となる。共同通信は、この基準を引き下げる方向だと伝えた。規模の線引きが変われば、計画段階で「説明と検証」を求めやすくなる一方、手続きが増えることで事業側の時間と費用も膨らむ。調整のしわ寄せが、自治体の担当部局に集中しない設計も欠かせない。
支援は「広い土地」から「地域共生」へ、残る宿題
もう1つの大きな転換が、支援の絞り込みだ。共同通信は、2027年度以降に新規のメガソーラーを補助対象から外す方針を政府が固めたと報じた。電気料金に上乗せされる再エネ賦課金が原資となる制度だけに、負担のあり方を見直す狙いがある。テレビ朝日は、自民党が支援廃止も含めた提言を取りまとめたと伝えている。
ただ、支援を切るだけでは乱開発は止まりにくい。経済産業省は2025年5月、森林法などの違反が確認された太陽光事業に対し、FIT・FIPの交付金を一時停止したと発表しており、監視と是正を組み合わせる方向が強まっている。今後の論点は、既に認定された案件をどう管理し、撤去やリサイクルまで含めて「地域にツケを残さない」筋道を示せるかにある。
