経済実績を軸に支持固め　米国のトランプ大統領が国民演説

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2025.12.19

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米国のトランプ大統領は2025年12月17日夜、ホワイトハウスから国民向けにテレビ演説し、第2次政権の発足後約11か月の実績を強調した。物価の高さが暮らしの不満に直結するなか、2026年11月の中間選挙を前に、支持の足場を経済に絞って固め直す構えがにじむ。

値下がりの主張と、家計が感じる「まだ高い」

演説は20分弱で、その大半を経済に割いた。トランプ氏は、インフレを招いたのは民主党のバイデン前政権だと批判しつつ、ガソリンや一部の食品などで「負担が軽くなった」との見方を示した。外交への言及は限定的で、まず家計の痛点に焦点を当てた形だ。

ただ、数字が示す景色は一枚岩ではない。米労働省統計局（BLS）によると、2025年11月のCPIは前年同月比2.7%上昇で、伸びは鈍化した一方、食料は2.6%、エネルギーは4.2%上昇と分野差がある。しかも政府機関閉鎖の影響で10月分の調査が欠け、家計が「落ち着いた」と確信しにくい土台も残る。

中間選挙を見据えた「成果の可視化」

政治的な焦りも背景にある。Reutersは、経済運営への評価が伸び悩むなかでの演説だと報じ、トランプ氏が国境管理の成果なども織り交ぜつつ、責任の矛先を前政権や貿易、移民に向けたと伝えた。新規施策として軍人向けの一時金（$1,776）も打ち出し、「実感」を伴う材料を並べた。

一方、ガソリン価格の下落は、政策だけでなく原油相場など外部要因の影響も大きい。Reutersは、全米平均が前年より下がったものの、地域差が大きいと整理した。米エネルギー情報局（EIA）も、ガソリン支出が可処分所得に占める比率は2025年に2%未満になり得ると見通す。統計の改善とレシートの体感のズレを、どこまで埋められるかが次の争点になる。

値下がりの主張と、家計が感じる「まだ高い」

中間選挙を見据えた「成果の可視化」

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