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トルコがロシア製地対空ミサイル防衛システムS-400の「返還」を検討しているとの観測が浮上した。取引が招いたNATO内の摩擦を収束させ、米国製ステルス戦闘機F-35の再取得につなげる狙いだと受け止められている。一方でReutersは12月12日、トルコ国防省がS-400を巡り「新たな進展はない」と述べたと伝えており、水面下の模索と公式発表の温度差が目立つ。
防空の切り札が、同盟調整の足かせになった
S-400は、ひとことで言うと長距離の防空網をつくるロシアのシステムだ。だがトルコにとっての問題は性能だけではない。S-400を保有したままでは、米国の法令上、F-35計画への復帰が難しいという構図が固定化してきた。Reutersは12月10日、米国側が「保有しないこと」を復帰条件としていると報じている。
トルコ外務省は2019年7月17日の声明で、米国がトルコをF-35計画から外すと発表したことを「同盟精神に反する」と批判した。防空を急ぐほど、同盟国との共同運用や装備調達の選択肢が狭まる。S-400を「使うか、持つか」自体が外交カードになり、軍備の話が政治の会計に回り込んだ形だ。
返還が実現しても、F-35への道は一直線ではない
返還論が注目されるのは、F-35が単なる機体購入ではなく、訓練、整備、部品供給までを含む長期の関係だからだ。AP通信は、トルコがF-35事業に1.4億ドルではなく14億ドルを投じたと伝え、離脱が産業面でも痛手だったことをにじませた。制裁解除や共同生産への復帰が実現すれば、空軍の将来計画も組み直せる。
ただ、返還が「出口」になるかは別問題である。Turkish Minuteは12月17日、トルコがS-400返還を模索していると報じたが、当事者の公的説明はまだ追いついていない。米国側が求めるのは、機材の所在だけでなく、機密保全への信頼回復でもある。トルコが同盟の枠内で防空をどう整え直すのか。装備の行方が、そのままNATO内の距離感を映す局面になっている。
参考・出典
- Turkey seeks to return Russian S-400s to rejoin F-35 program: report – Turkish Minute
- Turkey says no change in Russian S-400s amid U.S. talks on F-35s (Reuters, 2025-12-12)
- Turkey in talks to rejoin US F-35 fighter jet programme, envoy says (Reuters, 2025-12-10)
- US ambassador to Ankara says Trump is moving closer to resolving Turkey’s F-35 ban
