トルコで正体不明の無人機相次ぐ、5日間で3件確認

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2025.12.22

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トルコで12月20日、イスタンブールから南西に離れたバリケシル県の農地で、出自の分からない無人機が見つかった。機体は分析のため首都アンカラに運ばれたとされる。12月15日に黒海方面から接近した無人機を空軍が撃墜し、19日にも別の墜落機が確認されており、5日間で3件の無人機事案が続いた。

畑に残った機体が示す「情報の空白」

バリケシルで見つかった機体は、独立系テレビや新聞などが報じた。発見地点はイスタンブールから車で約3時間圏とされ、住民や農業関係者が日常的に行き来する地域だ。墜落した時期も「数日前の可能性」が指摘され、発見までに時間差があったことになる。

一方で、当局は現時点で機体の所属や飛来経路について公式見解を示していない。直前の12月19日には北西部コジャエリ県で別の墜落無人機が確認され、トルコ内務省の暫定評価としてロシア製偵察用とされる「Orlan-10」の可能性が報じられた。断片的な情報が先行するほど、民間の不安だけが増幅しやすい。

黒海の緊張が空域管理を試す

事態の起点になったのは12月15日だ。トルコ国防省は、黒海方向から領空に接近した無人機について、F-16が追尾したうえで安全に配慮した形で撃墜したと説明している。国防省は、機体が小型で探知が難しい条件だったため、複数のセンサー情報を突き合わせて対処したとも明らかにした。

国防省は同時に、ロシアとウクライナの双方に対し、戦争の影響が黒海の安全保障に波及しないよう一段の注意を促した。黒海では「影の船団」とされるタンカーを狙った攻撃なども取り沙汰され、海上の緊張が空にもにじむ構図がある。3件目の機体の素性が不明なままなら、偶発的な越境と意図的な偵察の線引きが曖昧になり、周辺国の警戒だけが先に固まっていく。

畑に残った機体が示す「情報の空白」

黒海の緊張が空域管理を試す

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