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ロシア南部クラスノダール地方の黒海沿岸、テンリュク地区ボルナの港で12月22日、ウクライナのドローン（無人機）攻撃により船舶2隻と桟橋2基が損傷し、火災が発生した。地元の対策本部は、停泊中だった乗組員は全員退避し、人的被害は確認されていないとしている。
港の火が消えない、物流の要所に残る「作業の空白」
当局の説明では、被害が出たのは黒海のボルナ・ターミナル周辺で、損傷に伴って複数箇所で火が出た。延焼面積は約1000〜1500平方メートルに達し、日本時間11時の時点でも鎮火に至っていないという。海上施設は可燃物や配管が集中し、火勢が落ち着くまで近づけない区域が生まれやすい。
人的被害が出ていない一方で、桟橋や係留設備の損傷は、荷役の停止や船の入れ替えの遅れに直結する。港の機能は「岸壁が使えるか」「安全確認が終わるか」で回復速度が決まるため、火災対応と並行して点検や航行制限が必要になる。現場にとっては、消火が終わってからが実質的な復旧の始まりになる。
黒海で続く無人機の応酬、狙いは軍事と輸送の境界にある
クラスノダール地方は黒海沿岸に港湾や燃料関連施設が点在し、ウクライナ側の無人機攻撃の標的になってきたと複数の報道は伝える。ボルナはクリミアに近い地理にあり、軍事上の補給線と民間物流が重なる地域でもある。今回のように船と桟橋が同時に傷つけば、軍民の区分にかかわらず「運べない時間」が生じやすい。
一方で、被害の規模や操業への影響、攻撃の詳細は当局発表の範囲を出ておらず、沈静化には時間がかかる可能性がある。無人機は低コストで繰り返し投入でき、完全な防御が難しいとされる。港が再開できても、警戒の常態化は人員配置や保険、航路の判断に影を落とす。黒海の沿岸で「次はどこが止まるのか」という不確実性が、じわりと積み上がっている。
参考・出典
- Ukrainian drone attack damages two piers, two vessels in Krasnodar Region – Emergencies – TASS
- Два причала и два судна повреждены в Краснодарском крае после атаки БПЛА
- Ukrainian drone attack damages two vessels in Russia’s Krasnodar, regional authorities say (The Indian Express / Reuters)
- Ukrainian drone attack damages two vessels in Russia’s Krasnodar, officials say | The Straits Times
- Caucasian Knot | Two piers and two vessels were damaged in a drone strike in Kuban.
- Оперативный штаб – Краснодарский край – Telegram
