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ベネズエラの国営メディアは2025年12月30日、軍による麻薬取り締まりの年間実績として、密輸などに使われた100隻超のボートを押収し、麻薬計52トンを回収、関与した約2000人を拘束したと報じた。国内向けに成果を強調する一方、米国が「麻薬対策」を名目に圧力を強める中で、外交の防波堤にしたい思惑もにじむ。
数字が示すのは「現場の成果」か「対外メッセージ」か
国営メディアの説明では、押収対象は海上輸送に使われた船舶が中心で、拘束人数も2千人規模にのぼる。取り締まりの対象は麻薬そのものだけでなく、密輸の足回りや関係者の摘発を含むとされ、軍が治安分野でも主導権を握る構図を改めて印象づけた。沿岸や国境での監視や臨検が増えれば、正規の漁業や物流にも手続き負担が増える可能性がある。
一方で、こうした実績公表は、取り締まりの透明性や検証可能性とは別の文脈でも使われやすい。ベネズエラ側は以前から、コロンビア国境地帯での作戦を成果として発信してきた。2025年2月には国防相が、2022年以降の国境での押収量が「100トン超」だと述べたと、EFE通信の配信記事を複数メディアが伝えている。数字の積み上げは政策評価の材料になる半面、対外関係が緊張する局面では「批判への反論カード」にもなる。
米国の圧力は「麻薬」を切り口に強まっている
米国側は、マドゥロ政権中枢が麻薬資金に関わるとの主張を繰り返してきた。米財務省は2025年12月11日の発表で、ベネズエラの石油部門に関する制裁対象を公表し、政権が「麻薬を米国に流入させている」との趣旨の文言も盛り込んだ。さらにReutersは12月29日、トランプ大統領がベネズエラで「麻薬を積み込むための港湾施設」を攻撃したと述べたと報じ、AP通信も同趣旨を伝えている。
論点は、麻薬対策が治安協力の領域にとどまらず、制裁や軍事行動の正当化に結びついている点だ。スペイン紙El Paísは12月24日、国連安全保障理事会の場でも米国が「麻薬資金」を理由に圧力を強める姿勢を示したと報じた。ベネズエラ側が実績数字を前面に出すのは、米国の「麻薬」批判に対し、協力不足ではなく「取り締まりは進めている」という反証を並べる狙いがある。ただ、双方の応酬が続けば、海上の監視強化と偶発的な衝突リスクという形で、現場の負担が増す懸念も残る。
参考・出典
- US hit drug boat loading facility in Venezuela, Trump says
- In escalating tensions with Venezuela, Trump says the US 'hit' a drug loading facility along coast | AP News
- The United States warns it will deprive Maduro of ‘the resources he uses to fund’ drug trafficking | International | EL PAÍS English
- Venezuela ha incautado más de 100 toneladas de drogas desde 2022 en frontera con Colombia – Eje21
