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秋の光が差し込むホワイトハウスで、長距離巡航ミサイル「トマホーク」をめぐる判断が重く揺れている。2025年10月17日にゼレンスキー大統領と向き合ったトランプ大統領は供与に慎重姿勢を見せた一方、同月6日には「決めかけている」とも語った。最終判断の天秤はなお宙づりである。
ホワイトハウスの判断材料
現時点で確認されている範囲では、供与の是非は大統領の政治判断に委ねられている。10月6日、トランプ氏は「トマホーク供与について、ある程度決めかけている」と述べ、相手側の反応も見極める考えを示した。さらにプーチン露大統領に「数千発のトマホークを相手に渡してよいか」と問いかけたと発言しており、当該兵器の扱いが首脳間のやり取りに直結していることをうかがわせる。
一方、10月17日のゼレンスキー氏との会談では、トランプ氏は「米国にも必要だ」と述べて供与に慎重姿勢を示し、即時停戦の受け入れを迫ったと報じられている。ウクライナ側はロシア本土の軍事・エネルギー施設を効果的に叩く長距離打撃力の確保を狙い、トマホークの供与を繰り返し要請してきた。供与の是非は、戦況だけでなく米露関係や同盟国間調整にも波及する論点である。
影響と見通し
トマホークは通常、艦艇や潜水艦から発射されるが、地上発射手段の転用・供与や同盟国経由の移転など複数のオプションが議論の対象になっているとみられる。CNNは、供与が実現しても数量は限定的となり、心理的・抑止的な効果が重視されるとの見方も紹介した。ウクライナは既に長距離無人機で深度攻撃を重ねており、米製巡航ミサイルの導入は速度・命中精度・突破性の面で質的な上積みをもたらす可能性がある。
一部報道によれば、ロシア側は供与に強く反発しており、プーチン氏はトマホークがモスクワやサンクトペテルブルクを射程に収める点を警告したとされる。供与は戦況を一挙に変える万能策ではないとの指摘もあるが、象徴性は大きい。最終的な政治決定が下るまで、米政権内の調整と露側の反応、そして欧州同盟国の出方が連動する局面が続くと映る。
【数値・日付】最大射程約1,600キロ（一般に公表される代表値）。主要動きは2025年10月6日（トランプ氏「決めかけている」発言）と同年10月17日（ホワイトハウスでの米ウクライナ首脳会談）。供与数量は未公表。
