ウクライナ大統領、米が領土譲歩優先と指摘 ドンバスの両州全域譲渡は将来の戦争に

和平条件にドンバス全域譲渡案 将来の戦争の火種にゼレンスキー氏警戒

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ウクライナのゼレンスキー大統領は、キーウの大統領府で受けたインタビューで、ロシアとの和平協議を巡り、米国が戦後の再侵攻を防ぐ「安全の保証」よりも領土譲歩を優先しているとの認識を示した。和平合意の条件として、東部ドンバス地方のうちドネツク、ルハンスク両州の全域をロシア側に渡す案を求められていると説明し、受け入れれば将来の戦争の火種になると警戒感を示した。

安全の保証協議 ドンバス全域割譲案に反発

ゼレンスキー氏は、領土問題は安全の保証と切り離せないと訴える。占領地の扱いだけを先に確定すれば、停戦後の抑止力が弱まり、ロシアが態勢を立て直した後に再び攻勢へ出る余地を残すためである。AP通信も、同氏がこれまで一貫して、確実な保証なしの和平は新たな侵攻を招きかねないと主張してきたと伝えている。

ドンバスはロシアが長く支配拡大を狙ってきた東部の工業地帯で、ウクライナ軍がなお保持する地域も残る。AP通信が2025年10月に伝えたトランプ大統領の発言では、終戦には同地域を「切り分ける」必要があるとの見方が示されており、ゼレンスキー氏の警戒は、米政権内で領土線引きを急ぐ空気への反発としても映る。

米政権の優先課題 イラン情勢でウクライナ後景

ゼレンスキー氏は、米国がイラン対応へ力点を移すなかで、トランプ氏が2022年2月に始まった全面侵攻の早期終結を急ぎ、キーウへの圧力を強めているとみている。タイム誌やフランス紙ルモンドも、トランプ政権が停戦や最終合意を急ぐ一方、ウクライナ側は保証の中身が曖昧なまま譲歩だけが先行する事態を強く警戒していると報じてきた。

戦線の帰趨だけでなく、停戦後に誰がどの形でウクライナの安全を担保するのかは、交渉の成否を左右する核心である。領土線引きと保証の順序を巡る溝が埋まらなければ、和平案が示されてもキーウが受け入れる余地は狭く、協議はなお曲折を伴いそうだ。

参考・出典

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