本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
北京の編集室で組まれた見出しが、再び沖縄の名を前面に押し出した。共産党機関紙人民日報系の環球時報が2025年11月21日付で掲載した記事は、沖縄県の日本への帰属そのものに疑問を投げかけ、日本軍が琉球王国を力で併合したと描き出している。背景には、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に対する中国側の強い反発が横たわる。
沖縄の帰属に疑義、中国紙が歴史を持ち出す
環球時報は19日に続き、21日付でも沖縄を取り上げ、明治政府による1879年の「琉球処分」を批判した。同紙は、日本軍が王宮に押し入り国王を追放し、琉球を一方的に併合したと主張し、日本の統治の正当性に疑義を呈している。また中国は歴史上、琉球王国を冊封体制のもとで保護し、厚遇してきたと強調し、自国との伝統的な関係を前面に押し出した。冊封体制とは、周辺の王国が中国皇帝から王としての地位を認められる代わりに朝貢を行う外交秩序を指す。
一方で記事は、琉球が1609年の薩摩藩の侵攻以降、薩摩の支配を受け、近代には琉球処分を経て沖縄県として日本に編入された経緯にも触れている。中国の冊封体制と薩摩支配が重なった歴史は、東アジアの秩序が重層的だったことを示すが、今回の紙面では日本の「武力による併合」を前面に置くことで、現在の主権問題と結びつける構図になっている。歴史の一場面を切り取り、現代の政治状況と重ね合わせる手法は、中国の対外宣伝で繰り返し用いられてきたものでもある。
自国の併合政策との整合性に疑問
中国政府は高市首相の発言を「内政への乱暴な干渉」と強く批判し、日本大使を呼び出すなどの抗議姿勢を示した。ただ、自らは新疆ウイグル自治区や内モンゴル、香港などで中央への統合を強めてきた経緯があり、国外では「他国に言える立場なのか」との指摘もくすぶる。高市首相はその後、具体例の明言は慎むとしたものの、答弁を撤回する姿勢は示していない。
こうしたなか、環球時報が沖縄と琉球史を持ち出して日本の姿勢を批判したことは、台湾情勢をめぐる議論に影響を与えようとする中国側の宣伝戦の一環だと国内では受け止められている。歴史叙述を利用して沖縄の位置づけそのものへ疑念を投げかける手法は、台湾をめぐる情報戦が地理的範囲だけでなく、時間軸へも広げられていることを象徴している。
