リスボンでウェブサミット開幕 AIとロボットが描く次の産業地図
リスボンで開幕した年次見本市ウェブサミットは、AIやロボット、スタートアップが一堂に。初日から欧州のAI基盤づくりを巡る大型投資が示され、議論は未来像から実装や資金調達へ移った。会期は4日間で現場の実装事例やスタートアップのピッチ、技術導入計画が交わり投資動向が注目された。
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リスボンで開幕した年次見本市ウェブサミットは、AIやロボット、スタートアップが一堂に。初日から欧州のAI基盤づくりを巡る大型投資が示され、議論は未来像から実装や資金調達へ移った。会期は4日間で現場の実装事例やスタートアップのピッチ、技術導入計画が交わり投資動向が注目された。
対話型AI『クロード』を手掛けるアンソロピックは、AI向けクラウドのFluidstackと提携し、米国内のテキサスとニューヨークに専用データセンターを計画。2026年稼働を見込み500億ドルを投じ、地域の雇用やAIインフラ拡充を狙うと明らかにした。
アサヒグループホールディングスは傘下3社の10月売上概況を公表。9月29日のサイバー攻撃で受発注・出荷システムが停止し、主力商品の供給を絞りつつ現場が手作業で受注伝票を追い、出荷遅延や受注抑制で売上に揺れ、数値は復旧途上を示した。同社は復旧を続ける。
三菱UFJフィナンシャル・グループが2025年11月12日、米OpenAIと戦略的連携を締結。来期開業のデジタルバンクでChatGPTを中核に据え、業務効率化と顧客体験の刷新を進め、実証から本格運用へ移行する。行員のチャット活用で顧客対応が変わる。効率化も進む。
WIPOの年次報告『WIPI』が公表。2024年の特許出願は前年比4.9%増の約372万5千件で過去最多、首位は中国、米国・日本が続き、商標は横ばい、意匠は増加。地域別の動向や業種別差も明示し、企業の知財戦略や研究開発投資に示唆を与える内容。
JR東日本は、上越新幹線での実証を経て、Suicaタッチやきっぷ投入が不要の「ウォークスルー改札」を2028年度に広域品川圏の在来線へ導入し、混雑緩和や利用しやすさ向上、改札システムのコスト削減を目指す方針を示した。利用者の動線や安全性も検証する。
民間ロケットの星河動力航天科技が2025年10月22日、北京証監局で上場指導を正式開始。9月のシリーズDで国内民間ロケット最大規模の24億元を調達、量産体制と高頻度打ち上げで培った現場力を背景に上場準備を加速する。今後は量産拡大と打ち上げ網強化が資金使途の焦点だ。
見慣れないバナーを押すと数分でLINEグループ招待が届く手口で、警察庁は2025年1〜9月の暫定で「SNS型投資詐欺」が2000件超、被害額は約300億円規模に達したと発表。7月以降増加し、被害の実態や対策、相談窓口の活用を呼びかけている。
発射音より先に計測器の数字が跳ねた——防衛装備庁シンポジウムで報告された電磁加速システム(レールガン)の洋上射撃試験。海自試験艦「あすか」で6〜7月に実施した貫入や過渡弾道の映像・計測データを公開し、艦載化に向けた課題と手応えを現場数値で示した。
メルボルンの経営者会合でマイク・バージェスASIO長官は、中国政府・軍と関わるとされるハッカーが豪州の通信網や電力・交通など重要インフラを継続して探り、破壊工作が実行されれば経済混乱を招くと警告。昨年の被害や企業秘密流出の深刻さを示し、セキュリティ強化と官民連携による備えを求めた。
ミュンヘン地裁は2025年11月11日、GEMAの訴えを認め、ChatGPTを運営するOpenAIに無断歌詞使用の禁止と損害賠償を命じ、生成AIの学習・出力に対するライセンス要求が欧州で現実味を帯びた。判断は今後の生成AIと著作権の実務に影響を及ぼすと見られる。
IOSCOの報告書(11日公表)は、実物資産のトークン化が発行・取引・サービスを変える可能性と、現行制度で捉えきれないブロックチェーン由来の課題や投資家の脆弱性を指摘した。導入は限定的だが要監視。制度整備や監督強化、リスク管理の見直しが課題だと強調している。
江南造船が初公開した原子力コンテナ船の詳細仕様。約1.4万TEU級で動力はトリウム溶融塩原子炉(TMSR)を採用。技術者が数値を示す設計図面からは、商船に原子力という新機軸を静かに導入する意図と、安全性や規制対応への課題が透ける。業界や国際海運の議論を促す可能性もある。
防衛装備庁は2025年11月10日、川崎重工と随意契約(特定の相手と直接契約)で水中発射型垂直発射装置の研究試作を締結(108億8941万7000円)。海自が未保有のVLSの実機研究段階に入り、実証試験や装備導入の可能性、技術影響が注目される。
国立国会図書館は2025年11月11日、館内の新システム開発環境が不正アクセスを受けたと発表。影響は開発側に限定し既存サービスに異常はないが、サーバー構成情報や一部利用者情報が漏えいした可能性があると説明した。同館は原因究明と再発防止策を進め、関係機関と連携して対応している。
政府は経済安全保障推進法の「特定重要物資」に無人航空機(ドローン)や船体など5品目の追加指定を検討。民間投資を促し、不測時の供給確保を狙い、経済対策と今年度補正予算に位置付けて年内の政令改正をめざす。産業基盤強化を静かに進める狙いだ。供給網の強靭化や研究開発投資を促す意図もある。
捜査で押収PCの解析が事件の輪郭を浮かび上げた。兵庫県警は楽天モバイルに不正接続して通信回線を契約したとして、埼玉の16歳少年と21歳の男を不正アクセス禁止法違反などで再逮捕。少年は生成AIで自動契約プログラムを作ったと供述し、利便性に寄り添う設計の影で手口の高度化が浮上。
2025年11月7日の衆院予算委で平将明前デジタル相が、7月の参院選で「ロシアによる選挙介入で特定政党に言及するSNS投稿が増幅した」と指摘。参政党・神谷宗幣代表や国民民主・玉木雄一郎代表がXで反応し、規制や対策の論点が即座にネット議論へ拡大した。
世界インターネット会議(烏鎮)でDeepSeek上級研究員の陳徳里氏は、AIの短期的利便性を認めつつ、5〜10年で雇用を脅かし、10〜20年で多くの人間の仕事を代替する可能性を指摘。テクノロジー企業に社会的責任や規制・倫理対応を担う「守護者」役を求めた。
総務省は国際通信を支える海底ケーブルの防護策を協議する検討会を初開催。委員が図面や保守実態を基に災害や意図的切断に備えた監視・敷設ルールの見直しや予算・制度改正案を来夏の報告書でまとめる方針を協議した。今後は事業者連携や被害想定、運用体制の見直しを踏まえ、実効性ある対策を示す予定だ。