小泉進次郎防衛相が発表、沖縄県沖本島南東で中国軍機が空自機に2度レーダー照射

中国軍機が空自F-15にレーダー照射 日本が強く抗議、沖縄南東の公海で発生

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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小泉進次郎防衛相は12月7日未明、防衛省で臨時の記者会見を開き、沖縄本島南東の公海上空で航空自衛隊の戦闘機が中国軍機から2度にわたりレーダー照射を受けたと明らかにした。照射はいずれも前日の6日、空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、対領空侵犯措置で飛行していた空自F-15に向けて行ったもので、自衛隊機や隊員に被害は確認されていないという。日本政府は中国側に強く抗議し、再発防止を求めた。未明の防衛省では、白い蛍光灯の下で担当者が慌ただしく資料を配り、事態の異例さを物語っていた。

沖縄の空で何が起きたのか 前線で高まる「見えない緊張」

防衛省によると、レーダー照射は6日午後4時半ごろと午後6時半すぎの2回発生した。いずれも沖縄本島南東の公海上空で、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、領空侵犯の恐れを監視していた空自F-15に対し、断続的に電波を浴びせたとされる。F-15側は搭載センサーで照射を感知したが、回避機動や反撃に至る事態にはならず、任務を続行した。

沖縄では、中国機やロシア機に対応するための緊急発進(スクランブル)が日常的に行われている。ただ、今回のように相手機が火器管制用とされるレーダーを向けるケースは、防衛省が確認・公表した範囲では初めてだという。政府は「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為」と位置づけ、各紙も「質の異なる挑発」と報じている。

地上からは空はいつも通りに見える。だが、そのはるか上空で、民間機の航路とも近い空域を飛ぶ自衛隊機が、相手の「照準」の内側に入っていたことになる。直接の被害がなくても、パイロットは機体が撃墜の前段階に置かれたのと同じ信号を受けることになり、心理的な負荷は大きい。周辺の漁業者や住民の間には「目に見えないところで緊張が高まっているのではないか」との不安もにじみ始めている。

小泉防衛相はその後、オーストラリアのマールズ国防相との会談でも事案を説明し、「毅然でありながら冷静に対応する」と強調した。日本側は警戒監視活動を継続しつつ、現場の判断で過度なエスカレーションを避ける姿勢も打ち出している。前線の自衛官にとっては、相手の挑発に巻き込まれず任務を遂行するという、難しい舵取りが一段と求められている。

レーダー照射が映す中国軍の狙い 空母「遼寧」と政治的メッセージ

今回使用されたとみられる火器管制レーダーは、敵機を捜索するだけでなく、ミサイル発射に必要な精密な照準にも使われる装備だ。各国軍の専門家は、相手機のレーダーが特定の機体に継続して向けられた場合、それは「いつでも撃てる」という意思表示と受け止められかねないと指摘する。防衛省も「捜索目的であれば、ここまで断続的に照射する必要はない」としており、中国側の意図を警戒している。

一方で、中国軍は日本近海で存在感を高めてきた。空母「遼寧」とミサイル駆逐艦3隻は6日、沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋側へと進出し、戦闘機やヘリコプターの発着訓練を繰り返したとされる。中国海軍が3隻体制の空母戦力を整えて以降、日本周辺で作戦的な行動が確認されたのは初とされ、外洋での本格運用を誇示する狙いが透けて見える。

政治面でも、背景には緊張の高まりがある。高市早苗首相が台湾有事を「日本の存立に関わる」と語ったとされる発言をめぐり、中国は強く反発し、東シナ海沖での軍事活動を増やしてきたと、ロイターなど海外メディアは分析する。日本側の抑止力強化の動きと、中国側の示威行為が互いに相手の警戒感を強める「安全保障のジレンマ」が、今回のレーダー照射というかたちで表面化したともいえる。

他方で、中国政府はこれまで、空母機動や周辺海域での行動について「国際法に基づく正当な活動」との立場を崩していない。日本側の抗議にどう応じるかはまだ明らかでないが、仮に今回の照射を正当化する説明がなされれば、今後同様の行為が繰り返されるリスクも指摘されている。日中双方の国内政治が強硬姿勢を後押しする中で、軍事的なシグナルの意味合いをどう制御するかが問われている。

偶発衝突をどう防ぐか 問われるルール作りと情報公開

レーダー照射は、発射ボタンが押されれば実戦に直結しかねない行為だ。今回、日本側は反撃や回避行動を取らずに済んだが、パイロットの判断や双方の通信の行き違い次第では、急接近や接触事故につながる危険もある。東シナ海や南シナ海では、各国軍機や艦艇が絡むニアミスが相次いでおり、専門家からは「当事者同士のホットラインや行動規範をより具体的に整えるべきだ」との声が出ている。

南シナ海では、フィリピン軍機に対し中国側が信号弾を発射した事案も、AP通信などが報じている。東アジア全体で軍用機どうしの危険な接近が連鎖するなか、日本の周辺空域で初のレーダー照射が確認された意味は重い。日本は米豪などの同盟国・パートナーとの連携を通じて、中国軍の動向監視を強める一方、偶発的な衝突を防ぐ仕組みづくりでも主導的な役割を果たせるかが注目される。

国内では、防衛力強化や反撃能力の整備を急ぐ動きと並行して、今回のような事案をどこまで公開し、どの程度まで現場に裁量を与えるべきかという議論も深まりつつある。情報を速やかに公表することは抑止力になり得る一方、エスカレーションの口実に利用される恐れもあるからだ。

小泉防衛相は「毅然かつ冷静な対応」を繰り返し強調しているが、その言葉を現場と外交の両面でどう具体化するのかは、まだ模索の途上にある。標的としては見えない電波の「照準」が示したのは、日中双方が一段と慎重な危機管理と対話の仕組みを備えなければ、偶発的な一発が地域の秩序を揺るがしかねないという厳しい現実だろう。

参考・出典

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