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消えたのは、挑発的な一文だった。中国の薛剣・駐大阪総領事が8日、Xで国内報道の投稿を引用し、暴力を連想させる表現を書き込んだとされる。9日19時30分ごろには当該投稿が閲覧できない状態になり、説明は確認できていない。外交官の発信と公的立場の線引きが、改めて問われている。
消えた投稿と広がった反応
複数のスクリーンショットや転記で共有されたのは、朝日新聞デジタル速報席のX投稿を引用し、首相発言に強い言葉で応じる内容だった。表現は「首を斬る」と受け取れる過激さを帯び、即座に批判と驚きが拡散した。投稿の真偽や意図を巡る確認作業が進む一方、一次情報の保存と共有が先行する、近年の情報流通の姿がそのまま表れた。
9日夕から夜にかけて、問題の投稿は閲覧不能になったとの報告が相次いだ。19時30分ごろの時点で一般の閲覧では確認できず、発信者側からの説明も見当たらない。外交官個人のアカウント運用は珍しくないが、公的肩書と結びついた発言は、仮に削除されても痕跡が残る。記録の拡散が収束よりも先に進む構図は、過去の騒動とも重なる。
国内では、投稿の内容や語調を踏まえて、政府としての対応を求める声が一部で高まった。抗議や呼び出し、受け入れの可否を示す措置の可能性など、手続き面への関心も急速に広がる。ただ、当事者の説明がない現段階では、事実関係の確定と評価を切り分ける視点が欠かせない。情報が速く増えるほど、確認の遅れが際立って見える。
首相発言と制度の枠組み
発端になったのは7日の国会での首相答弁だ。台湾を巡る事態について、状況次第では「存立危機事態」に該当し得るとの見解を示した。存立危機事態とは、安全保障関連法に基づき、日本の存立が脅かされ国民の権利が根底から覆される明白な危険があると政府が認定した場合に、集団的自衛権の行使が可能になる枠組みを指す。武力行使の可否は、個別具体の状況で総合判断する立て付けだ。
一方、外交官や領事が駐在国で不適切な発信を行った場合の制度的対応には、いくつかの選択肢がある。代表的なのが受け入れ国が受け入れ拒否を通告する「ペルソナ・ノン・グラータ(受け入れ不適格者)」だ。国際法上の手続きはウィーン条約で整えられており、外交関係と領事関係で具体の扱いは異なる。いずれも最終的には国家間のやり取りが基礎になり、個々の発言の性質や影響の評価が鍵を握る。
総理の発言は、政府として最悪の事態も想定するという従来方針の延長線にある。一方、総領事の投稿は、たとえ削除されても、公的肩書と結びついた言葉の重さが残る。発信の速度と制度の反応の時間差、その狭間に世論の熱が立ち上がる。境界線を整える作業は、静かな事実確認から始まるはずだ。
記録は、今も静かに積み重なっている。
