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政府が経済安全保障の看板を掲げ、欧州や東南アジア、オーストラリアとの連携を官民一体で深めている。宇宙や海底ケーブル、防衛といった「止まると国が困る」領域で産業協力を進め、中国の威圧的行動に備える構えだ。11月下旬にはベルリンで日独の政府と企業が非公開で集まり、ドローン対処や衛星データの活用と共有を議題にした。
ベルリン会合が示す「安全保障の実装」
ライブドアニュースは、11月下旬にベルリンで日独両政府と防衛関連企業の関係者ら約70人が非公開会合を開いたと伝えた。議論の中心は、不審な無人機を無力化する技術や、衛星データの活用と共有だったという。国家同士の合意だけでなく、企業間の協力を進めていくことを確認した点が、今回の動きの肝になる。
ドローンは、ひとことで言うと低コストで戦場や警戒の形を変える道具だ。ライブドアニュースは、防衛省内にウクライナでの運用が「戦い方」を大きく変えたとの問題意識があるとも伝えた。日本近海でも中国軍所属とみられる無人機の飛来が指摘され、日欧が似た課題を抱える構図がある。衛星データの共有は便利な一方、どこまで出すかが各社の競争力と直結する。
宇宙と海底ケーブル、味方づくりの「インフラ外交」
経済産業省は国際連携を、貿易の話にとどめず「産業協力の場づくり」として前面に出している。11月21日の閣議後会見で担当大臣は、AIや宇宙、防衛などの戦略分野で相手国のニーズに応じて協力を進めることが、相手国の経済安全保障だけでなく日本の産業基盤強化にもつながると説明した。場の設計者として政府が動き、企業が実装する流れを狙う。
日独間でも、10月14日に第2回の日独経済安全保障協議を東京で開き、サプライチェーン強靱化や重要技術の保護などで連携強化を確認している。技術面ではNEDOが「K Program」として、衛星を使った情報収集や通信能力の向上につながる研究開発を支援してきた。だが連携が深まるほど、データ管理や輸出管理、費用負担のルールづくりが難題になる。海底ケーブルや宇宙は、結局は運用の細部で信頼が試される。
