本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
中国が採掘と精錬の大半を握るレアアースを巡り、G7財務相が8日にオンラインで協議し、調達先を増やしてリスクを減らす方針で足並みをそろえた。片山さつき財務相は、人権や環境、ガバナンスへの配慮を欠いた低価格の鉱物が市場を独占してはならないと述べ、共同声明で中国依存の軽減を打ち出した。電気自動車やスマートフォンを支える資源を、どう分散させていくのかが問われている。
身近な製品を支えるレアアース集中の重み
レアアースはモーター用磁石や半導体部品などに使われ、G7各国の製造業に欠かせない。現在は中国が採掘で約7割、精錬では9割超を占めるとされ、特定の国で生産や加工が偏る構図が続いている。調達の選択肢は依然として限られている。輸出規制や紛争などで供給が細れば、価格の急騰だけでなく、電動車や風力発電の生産計画が一気に狂いかねない。
G7は声明で、非市場的な政策によって重要鉱物の流通が操作されれば、世界経済全体の不安定要因になると指摘した。実際、欧州連合は中国による供給を「戦略的な圧力」とみなし、数十億ユーロ規模の多角化策を打ち出している。資源価格の振れ幅が大きくなれば、最終的な負担は電気料金や家電価格という形で市民にも及ぶ。
G7が探る「脱・一極依存」の道筋
今回の財務相会合には、G7に加えてオーストラリアやチリ、インド、メキシコ、韓国など資源国や新興国も招かれた。カナダが議長を務める行動計画の進捗を確認しつつ、採掘から精錬まで責任ある生産体制をどう構築するかが議題となった。声明は、単一の供給元への依存を弱め、信頼できるサプライチェーンを築くことを共通目標に掲げている。
日本は南鳥島周辺の海底資源開発や、米国との枠組みによる鉱物調達の連携を進めてきたが、代替となる鉱山や製錬設備を整えるには多額の投資と時間がかかる。環境保護や地域社会への配慮も求められ、単に中国から調達先を切り替えれば済む話ではない。今回の合意は、企業や産出国とどう負担を分け合うかという長期戦の出発点にすぎない。
