本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
政府が食料危機を想定した机上演習を実施していたことが、2025年12月19日に分かった。4月1日に施行された「食料供給困難事態対策法」に基づく基本方針を踏まえた初の訓練で、米国などからの大豆輸入に懸念が生じる状況を想定したという。危機対応の整備が進む一方、現場の負担や情報の出し方が次の焦点になりそうだ。
輸入の揺らぎが、食卓より先に工場を直撃する
演習は関係省庁の担当者らが12月17日に集まり、非公開で行われたと共同通信などが伝えた。大豆は豆腐やみそ、しょうゆといった加工品に広く使われ、飼料にも回る。港で止まるのか、国内輸送で詰まるのか、企業在庫で吸収できるのか。輸入不安が起きた際の「止まり方」を具体的に想像し、連絡や判断の順序をすり合わせるのが机上演習の狙いだ。
近年は異常気象や地政学リスクで、供給の不確実性が現実味を帯びている。日本は食料の自給率が高くなく、輸入の途切れは価格や品薄として暮らしに跳ね返りやすい。ただ、危機の初期段階では、行政が発する注意喚起が過度な買いだめを誘う可能性もある。緊張を高めすぎずに備えるには、企業と行政の間で「どの情報を、どの粒度で共有するか」を平時に詰めておく必要がある。
法律の「権限」より、負担の割り振りが問われる
食料供給困難事態対策法は、平時から兆候をとらえて対策を進める枠組みで、2025年4月1日に施行された。農林水産省によると、法律は大豆のほかコメや肉類など計19品目を「特定食料」とし、供給が大きく減る恐れがある段階から対応を段階的に強める設計だ。状況が深まれば、輸入や出荷販売などに関わる事業者へ計画の作成や届出を求める運用も想定されている。
一方で農林水産省は、増産の強制や平時からの配給制度といった誤解を否定し、要請や計画提出は最低限の範囲で行う考えも示している。つまり、机上演習で試されるのは「権限をどう使うか」だけではない。どの段階で、誰に、どれだけの追加負担が乗るのかを見える化し、必要な支援とセットで示せるか。訓練が積み重なるほど、行政の説明責任と現場の納得感が、危機対応の実効性を左右していく。
