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超党派の国会議員でつくる「日華議員懇談会」の古屋圭司会長らが、台湾の建国記念日にあたる双十節の2025年10月10日に合わせた訪台を進めている。頼清徳総統との会談が調整されるなか、価値観を軸にした日台の結び直しを示す動きであり、中国の反発を招く可能性もにじむ局面である。
訪台の狙いとタイミング
2025年10月9日の永田町は、週末の式典を見据えた慌ただしさが漂う。訪台団の出発情報が伝わるにつれ、与野党の議員秘書らが行程表を手に行き交い、空港の搭乗口に視線が集まった。節目の双十節に合わせることで、議会間の結束を可視化する狙いが浮かぶ。
古屋氏は先月、10日の国慶式典に「世界最大規模」の議員団を再び派遣したいと意欲を語っていた。台湾側の要人往来も相次ぐなか、議員レベルのネットワークを太くすることが、平時の協力と非常時の連携を支えるという計算が透けて見える。
会談相手としては頼清徳総統が想定される。3月には古屋氏一行が総統府で表敬を受けており、今回も首脳級の応対となる公算が大きい。現時点で確認されている範囲では詳細日程の公表は限られるが、10日午後の枠取りが進むとの見方が広がっている。
古屋圭司という政治の手触り
古屋氏は超党派の対台湾議連を率い、長年にわたり議会間交流の現場に立ってきた。執行部の交代や党内の力学が揺れる局面でも、議連は超党派の接着剤として機能し、役所の公式ルートとは異なる柔らかな接点を生み出してきたといえる。
9月下旬には韓国瑜立法院長が率いる議員団を永田町に迎え、国慶式典に向けた調整を進めた経緯がある。台湾の災害対応や食品規制の議題にも触れつつ、信頼の蓄積を可視化した場面であり、今回の訪台はその延長線上に位置づけられる。
議連外交は派手さに欠ける半面、関係を途切れさせない粘り強さが持ち味である。総統府での表敬や国際会議の場での顔合わせを積み重ねることで、危機の際に電話がつながる関係を保つ。誰に有利なのかという問いは残るが、実務の手触りが勝る局面と映る。
中国の反発と日本の足元
日台の往来が増えるたび、中国は「一つの中国」に関わる問題として反発を強める傾向がある。軍事演習の頻度や外交的な抗議の文言が強まる局面もあり、地域の緊張は振幅を増す。今回も抗議声明やメディアを通じた牽制が想定される。
もっとも、訪台団は政府間の公式交渉ではなく、議会間交流という枠にとどまる。だからこそ、価値観や人道支援、供給網の強靭化といったテーマを前に進めやすい。安全保障の境界線を踏み越えずに、政治信号だけを丁寧に送る作法が見て取れる。
国内では総裁選の余波が残る。与党内の布陣や政権移行の節目に、対外メッセージがどう響くかは計算の対象だ。偶然か必然か、10日の節目に合わせた動きは、内政と外交を同時に映す鏡であり、翌日以降の反応が次の一手を左右するとみられる。
