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航空機のエンジン音が途切れた滑走路の脇で、小泉進次郎防衛相が隊員と言葉を交わしていた。2025年11月22日、就任後初めて沖縄の宮古島と石垣島を訪れた大臣は、南西諸島の自衛隊や海上保安庁の基地を見て回り、住民避難や防衛力強化の課題を自らの目で確かめた。政府・与党はこの訪問を機に、国家安全保障戦略など安全保障関連3文書の前倒し改定に向け、地域防衛をどう底上げするかの議論を加速させる。
南西シフトが進む島々で何が起きているか
南西諸島の周辺では近年、中国軍艦艇や航空機の活動が増え、台湾侵攻を想定したとされる演習も繰り返されている。宮古島や石垣島は台湾と本土を結ぶ海空の要衝で、有事には自衛隊と米軍の作戦拠点となる可能性が高い。政府はこうした情勢を踏まえ、防衛力を本土から南西地域へ重点的に振り向ける「南西シフト」を進めてきたが、前線の島では、戦力増強と住民生活をどう両立させるかという難しい問いが突きつけられている。
2022年に改定された国家安全保障戦略では、武力攻撃の危険が高まった際に備え、さまざまな避難施設を確保する方針が盛り込まれた。その後、2024年には政府が先島諸島5市町村の住民を九州・山口の各県に受け入れる構想を示し、2025年3月には約12万人を6日程度で移送する初期計画を公表した。有事への備えが具体化する一方で、受け入れ先でも生活基盤や医療体制をどう整えるのか、不安の声が残っている。
住民避難と特定臨時避難施設、揺れる足元
小泉氏が宮古島市長と向き合った場では、地元の不安も率直に伝えられた。市長は、自衛隊の活動や台湾有事を想定した島外避難計画について、住民への説明が十分でないと感じる人が多いと指摘し、丁寧な情報提供と議論の場を求めた。観光と漁業で成り立つ島にとって、避難は生活そのものを一時的に失うことを意味する。国が描く防衛体制の強化と、そこで暮らす人々の実感との間には、なお距離がある。
こうした課題を埋める鍵の1つが、政府が先島諸島5市町村で整備を進める「特定臨時避難施設」だ。有事の際、輸送手段が限られてすぐには本土に移れない人が、一定期間とどまれる堅牢なシェルターとして位置づけられている。与那国町、石垣市、宮古島市では、防衛省が整備を支援し、空港滑走路の延伸や港湾の岸壁拡張とあわせて、安保3文書の改定論議の主要テーマとなる見通しである。22日夜、小泉氏は石垣市で、武力攻撃が本格化する前に住民を迅速に避難させることが最優先だと述べ、施設整備への支援を強調した。
訓練空域を行き交う航空機の音が途切れたあとも、島では日々の暮らしが続く、その足元で描かれる滑走路や避難施設の計画が、どのような形で住民の安心と結び付いていくのかが、静かに問われている。
