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政府は2025年12月16日、経済安全保障推進法の改正を検討する有識者会議で、レアアース（希土類）など重要物資の確保策を詰める「官民協議会」を新設する方向性を示した。参加企業には国家公務員並みの守秘義務を課し、機密性の高い情報を共有できる枠組みにする。共同通信やテレビ朝日が報じた。
「話すなら守る」官民協議会が求める新しい前提
官民協議会で扱うのは、特定の物資や製品の輸入依存度など、企業側が日々の取引や調達で把握している未公表のデータになり得る。言い換えれば、情報を出すほど議論は現実に近づくが、漏れれば企業の競争力や国家の対処力に跳ね返る。守秘義務を「国家公務員並み」にそろえるのは、会議を“意見交換の場”から“対応を決める場”へ寄せるための条件整備だ。
レアアースだけではない、供給網と基幹インフラを同じ机で
レアアースは電池や電子部品など幅広い産業に関わり、供給制限が起きれば製造現場の停止に直結する。一方で論点は資源に限らず、基幹インフラの機能停止リスクも射程に入るという。経済安全保障推進法は、供給網の強靱化や基幹インフラの安全確保などを柱としてきたが、実務のボトルネックは「現場の具体情報が政策に届きにくい」点にある。協議会は、その目詰まりを解く道具として位置付けられる。
参加企業のハードルと、2026年改正案の行方
守秘義務が重くなるほど、企業側には情報管理の体制整備や社内教育、共有範囲の線引きが求められる。鍵のかかった部屋を用意するだけでは足りず、誰が何を知り、どこまで社内で扱えるかを運用で決める必要がある。政府は2026年にも法改正案を国会に提出する考えを示しているが、実効性は「企業が安心して出せる情報の質」と「出した情報が政策にどう反映されるか」の往復が回るかにかかっている。
