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米国のトランプ大統領は2025年12月29日（現地時間）、フロリダ州で記者団に対し、ベネズエラで麻薬を船に積み込む拠点を米側が攻撃したと述べた。大きな爆発があったという一方、具体的な場所や攻撃手段は示していない。作戦の実態が見えないまま、対ベネズエラ圧力が一段強まった形だ。
場所も主体も不明、確認が進まない
発言は、トランプ氏がパームビーチの私邸「マール・ア・ラーゴ」でイスラエルのネタニヤフ首相を迎えた場面などで出た。Reutersは、トランプ氏が「埠頭の一帯」を攻撃したと語りつつ、どの機関が実行したのかを含め追加説明を避けたと伝えた。共同通信も、港の区域を狙ったと認めたが詳細は語らなかったと報じている。
一方で、国防総省やホワイトハウス、CIAが具体的に追認した形跡は乏しい。AP通信は、ベネズエラ側の当局や米側関係機関から即時の説明が得られていない状況を伝えた。現場が港湾施設であれば、周辺には荷役や輸送の民間活動もある。どこで何が起きたのかが確定しない限り、地域の緊張だけが先に立つ。
海上から陸へ、対麻薬作戦が越える線
今回の特徴は、これまで強調されてきた「公海上の麻薬運搬船」への攻撃から、陸上の施設に話が移った点にある。AP通信によると、トランプ政権は9月以降、密輸に関与するとみなす船への攻撃を積み重ね、死者が100人を超えたとされる。港湾の積み込み拠点に踏み込むなら、麻薬対策の枠を超え、マドゥロ政権への軍事的圧力と受け取られやすい。
論点は二つに分かれる。第一に、標的の特定や戦果の根拠をどこまで示せるかだ。第二に、権限と統制である。米国では戦争権限法（大統領に議会との協議や報告を求める法律）があり、海外での武力行使が「敵対行為」に当たるかが常に問われる。説明を抑えたまま作戦範囲だけが広がれば、国内外で「誰が、何の権限で、どこまでやるのか」という監視が強まる。
参考・出典
- Trump says US hit Venezuela dock where drugs were allegedly loaded | Reuters
- Trump hints that the US ‘hit’ a facility in South America | AP News
- ベネズエラの港湾を攻撃したとトランプ氏｜全国・海外の速報｜徳島新聞デジタル
- H.J.Res.542 – War Powers Resolution 93rd Congress (1973-1974) | Congress.gov | Library of Congress
- ベネズエラ港湾を「攻撃」 米大統領、麻薬積載エリア – ライブドアニュース
