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ウクライナは12月15日、黒海沿岸のロシア海軍基地ノボロシースク港で、停泊中のロシア潜水艦を水中ドローンで攻撃したと明らかにした。2022年2月の全面侵攻後、潜水艦への攻撃を公表するのは初めてだ。ここ数週間は、ロシアと結び付く船舶への攻撃も増えている。港を守る側と使う側に、何が起き始めているのか。
軍港の内側が揺れるとき、商いの海路も細る
作戦を担ったのはウクライナ保安庁で、機体名は「Sub Sea Baby」とされる。狙われたのは、巡航ミサイル「Kalibr」を搭載し得るディーゼル潜水艦で、ロシアが黒海での打撃力を保つ切り札の1つだ。水上無人艇の攻撃が続いた結果、艦艇の一部がクリミアのセバストポリからノボロシースクへ移った経緯もある。
港内での攻撃は、軍港だけでなく周辺の商港機能にも影を落とす。警戒が強まり航路の制限や保険料の上昇が起きれば、穀物や燃料の輸送コストに間接影響が出る可能性がある。水中の脅威に備えるには、網や潜水員、監視装置など運用の手間が増える。基地に近い地域では、立入規制や警報対応が続く懸念も残る。
水面下の無人機が示した、次の攻防線
水中ドローンは、ひとことで言うと水面下を自律または遠隔で航行し、爆薬を運ぶ無人機だ。波や夜間の影に紛れやすい水上無人艇と違い、港の防波堤を越えた後も見張りの目が届きにくい。ロシア黒海艦隊は損害を否定しているが、公開映像の位置関係は確認が進んでいるとロイター通信は伝えた。
攻撃の応酬は続く。ウクライナは黒海でロシアに関係するとみられる船舶への打撃を強める一方、ロシアはオデーサ港周辺への攻撃を継続している。今後は、ロシアが港内防護を厚くして艦艇をとどめるか、拠点をさらに分散させるかが分岐点になる。港湾の稼働が不安定になれば、荷役や修復に直接影響が及び、輸出入の選択肢が細る恐れがある。
参考・出典
- Security Service of Ukraine（SBU）公式サイト
- Ukraine says underwater drones hit submarine, but Moscow denies damage（Reuters, 2025/12/15）
- Ukraine blows up Russian submarine with drones for first time – photo, video
- Video: Ukraine Claims First Maritime Drone Strike on Russian Submarine
- Ukrainian Sea Baby drone strike reportedly cripples Russian 'shadow fleet' tanker in Black Sea, SBU source says
