海上封鎖を巡る対立表面化　ベネズエラが国連安保理へ

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2025.12.18

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ベネズエラは12月17日、米国が「制裁対象の石油タンカー」に海上封鎖を命じたことなどで緊張が高まっているとして、国連安全保障理事会に緊急会合の開催を要請した。Reutersは国連外交官の話として、安保理は来週にも協議する可能性があると伝えた。国連のグテレス事務総長も自制と沈静化を呼びかけている。

輸出の動脈を止めるという圧力

今回の焦点は、米国が12月16日に打ち出した海上封鎖措置だ。ReutersやAP通信は、制裁対象のタンカーがベネズエラに出入りする場合に阻止する構えだと報じる。海上での拿捕や臨検の可能性が意識されれば、船主や保険、荷主は航路選択を変えざるを得ず、たとえ全ての輸送が止まらなくても「近づきにくい海域」へと一変する。

ベネズエラ側は、これを主権と国際法への脅威だと位置づける。熊本日日新聞（共同通信配信）は、マドゥロ大統領が17日にグテレス氏と電話会談し、封鎖を非難したと伝えた。油価の変動よりも先に響くのは、輸出が滞った場合に外貨が細り、輸入や社会支出にしわ寄せが出るという現実だ。外で決まる海上のルールが、国内の生活の選択肢を削る構図になっている。

安保理に持ち込む外交戦と、その先

ベネズエラが安保理に求めたのは、軍事的な衝突を未然に抑える「場」を確保することでもある。Reutersによると、ベネズエラは米国の行動を「攻撃」とみなし、安保理で扱うべき国際平和と安全の問題だと訴えている。ただ、米国は常任理事国で、決議などの具体的な成果に直結しにくい。にもかかわらず、議題化そのものが各国の立ち位置を可視化し、海上で許される行為の線引きを争点にする。

周辺国も動き始めた。Reutersは、メキシコのシェインバウム大統領が国連に介入回避と流血防止を求め、対話の場の提供にも言及したと報じた。国連側では、グテレス事務総長が国連憲章を含む国際法の順守を促し、即時の沈静化を呼びかけている。封鎖が「見せる圧力」にとどまるのか、それとも臨検や拿捕の応酬に踏み込むのか。海上での偶発的な衝突をどう避けるかが、次の現実的な争点になりつつある。

輸出の動脈を止めるという圧力

安保理に持ち込む外交戦と、その先

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