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国税庁は11日、2024年7月から2025年6月までの令和6事務年度に実施した所得税と消費税の調査状況を公表した。暗号資産取引を行う個人への実地調査は613件に上り、追徴税額は合計46億円と前事務年度から大きく増加した。数字の裏で、どのような取引が税務当局の重点監視対象となりつつあるのかを探る。
個人投資家に迫る46億円の重み
今回の公表によると、暗号資産を扱う個人に対する特別調査と一般調査は前年度から約14.6%増え、613件に達した。その結果として課された追徴税額は46億円で、35億円だった前年度から31.4%の伸びとなる。価格変動が激しい資産への投資が広がる中、少数の事案でも金額が膨らみやすい実態が浮かぶ。
国税庁の集計では、これらの調査で申告漏れ所得金額は156億円に達し、調査対象の約94%で何らかの非違が見つかったとされる。1件当たりの追徴税額は約745万円で、所得税の実地調査全体の平均である約299万円の2倍超だ。暗号資産取引が、他の副業や不動産所得以上に高額の申告漏れを生みやすい分野であることが分かる。
背景には、複数の取引所や海外サービスをまたいだ売買や、ステーキング報酬など取引の種類ごとに損益計算のルールが異なる構造がある。取引履歴を自動集計するツールに頼りつつも、一部の取引が漏れていたり、円換算のタイミングを誤ったりすれば、その差額がそのまま申告漏れとなる。少額のつもりの投資でも、数年分が積み重なることで調査対象に上る可能性は高まっている。
AI選定と新しい取引形態、どこまで捕捉されるか
暗号資産だけが狙われているわけではない。個人全体の所得税調査では、追徴税額の総額が1431億円と現在の集計方法になってから過去最高を記録したと民放各社が報じている。国税庁は2023年夏からAIを本格導入し、金融機関や取引所から得た大量の情報を組み合わせて、申告内容と食い違うケースを優先的に抽出していると説明している。
その中で暗号資産関連は、平均額が大きいうえ、インターネット上に取引履歴が残りやすいという特徴を持つ。国内外の取引所のデータや、ブロックチェーン上の記録を手掛かりにすれば、大まかな保有量や売買履歴を把握することは難しくないと税務の専門家は指摘する。JinaCoinやCoinPostなどの業界メディアも、国税庁がこうした領域を重点的に分析していると伝えている。
一方で、DeFiやエアドロップ、マイニング報酬といった新しい形の収益は、現場でも税務処理が定まらない場面が残る。国税庁は、インターネット取引全般について資料情報の収集と分析を続ける方針で、今後も制度整備と調査強化が並行して進む見通しだ。投資家側にとっては、利益を得た時点や通貨ごとの損益を自ら把握し続けることが、調査リスクを抑える唯一の防御線になりつつある。
