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2025年12月19日、小泉進次郎防衛相は記者会見で、沖縄県の離島・北大東島へのレーダー配備計画を中国側が「挑発」と位置づけたことに反論した。装備は防御のためで、他国に脅威を与えるものではないとの立場を示した。小さな島に置かれる「目」が、抑止と外交の両方で重い意味を帯び始めている。
北大東島に置く「目」は何を変えるか
会見で小泉氏は、計画されている移動式警戒管制レーダーについて、日本に接近する航空機やミサイルを探知する装備だと説明した。攻撃のための兵器ではなく、周辺の動きを早期に把握し、対処の判断を支えるための機材だという位置づけである。中国側の「挑発」論に対し、防衛目的という一点で線を引いた。
計画は机上にとどまらない。報道によると、防衛省と北大東村は12月15日、配備に向けた村有地の賃貸借契約を結び、造成工事に入るとしている。北大東島は沖縄県の最東端に位置し、監視の届く範囲を広げる狙いがあるとみられる。移動式であることは、固定施設より柔軟に運用できる一方、設置が「メッセージ」として受け取られやすい面もある。
防御の装備が「挑発」に見える瞬間
防衛インフラが外交問題化する背景には、日中が同じ行動を別の物語として語る構図がある。中国は今回のレーダー計画も「緊張を高める動き」とみなし、日本は「防御の強化」と説明する。言葉の衝突が続くほど、配備の技術的な意味合いよりも、政治的な含意が前面に出やすくなる。
実際、今月上旬には沖縄周辺での軍用機の接触をめぐり、日本が中国機によるレーダー照射を問題視し、中国が反発する応酬が報じられた。レーダーは本来、空の状況を把握する手段だが、相手に向けられた瞬間に「攻撃の予兆」と受け止められ得る。北大東島の配備をめぐっても、国内向けの説明と周辺国への発信をどう両立させるかが、次の焦点になりそうだ。
