ウクライナのゼレンスキー大統領、トランプ米大統領と米軍駐留を協議 抑止力強化を期待

ゼレンスキー大統領が米軍駐留案協議、戦後再侵攻抑止策で米国と調整

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ウクライナのゼレンスキー大統領は2025年12月30日、米国による「安全の保証(戦後の再侵攻を抑える具体策)」の一環として、米軍がウクライナに駐留する可能性をトランプ米大統領と協議していると明らかにした。メッセージアプリを通じた報道機関との応答で、駐留が実現すれば抑止力が増すとの考えを示し、米国だけでなく支援国とも話し合っているという。

駐留構想、狙いは「再侵攻の抑止」を形にすること

ゼレンスキー氏は、米軍の駐留が加われば安全の保証が「言葉」から「実体」に近づくとの認識を示した。戦闘が続くなかで停戦や和平の枠組みが議論されても、合意後にロシアが再び軍事行動に踏み切る不安が残るためだ。現場では、防空や港湾など重要拠点への攻撃が続く局面があり、合意文書だけでは安心しにくいという事情が透ける。

一方、トランプ氏は和平交渉の進展を示唆しつつ、領土をめぐる争点が残るとも述べたとされる。駐留の話は、停戦監視や訓練支援にとどまるのか、抑止のための常駐を含むのかで意味合いが大きく変わる。受け入れ側のウクライナが望んでも、米側の負担や同盟国との役割分担が詰まらなければ、具体化までに段差がある。

「保証」の中身が焦点、NATO第5条との距離感も問われる

今回の議論の土台には、米国が一定期間の安全の保証を提示しているとの説明がある。APは、ゼレンスキー氏が保証期間として30〜50年規模を求めた一方、現時点で示された案は15年だと伝えた。ウクライナ側が求めてきたのは「NATO第5条のような保証」だ。第5条は加盟国への攻撃を全体への攻撃とみなし、加盟国が支援に動く集団防衛の考え方で、非加盟国のウクライナにはそのまま適用されない。

論点は、米軍駐留が「保証」を強める一方で、米国の関与をどこまで固定化するかというトレードオフにある。ロシアはNATO諸国の部隊展開に強く反発してきた経緯があり、駐留の設計次第では交渉を難しくする懸念も出る。逆に言えば、抑止力の裏付けが弱い和平は長続きしないとの見方も根強い。残る問いは、保証の範囲と期間を、誰がどの手段で担保するのかという具体の詰めだ。

参考・出典

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