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経済産業省は2026年7月、ホルムズ海峡を迂回する石油・天然ガスのパイプライン建設・増築に日本企業が参画しやすくするため、JOGMECのリスクマネー供給機能の拡大を検討する方針を論点整理案に盛り込んだ。海峡封鎖リスクを踏まえ、輸送経路の多角化を進める。
JOGMEC、パイプライン単体事業への支援も検討
経済産業省によると、JOGMECはこれまで、石油・天然ガスの上流権益や、それにひも付くパイプライン事業への出資を支援してきた。今後は、上流権益にひも付かないパイプラインの建設・増築事業も対象にできるよう、リスクマネー供給機能の拡大などを検討する。
具体策は、7月24日に設置された「石油等の供給構造の強靭化ワーキンググループ」で整理する。論点整理案は8月22日23時59分まで意見を募集しており、支援制度の規模や実施時期は示されていない。
UAEとサウジ、日本に増強への協力要請
ブルームバーグによると、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアは、ホルムズ海峡を通らずに石油を輸出するパイプラインの増強を巡り、日本政府に協力を求めている。
石油連盟の木藤俊一会長は、日本企業によるパイプラインへの出資は難しく、こうしたリスクは国ベースで負う必要があるとの認識を示した。企業だけでは負いにくい投資リスクを、政府がどう補完するかが課題となる。
既存ルートだけでは輸送能力に制約
エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、湾岸協力会議(GCC)諸国でホルムズ海峡を経由しない原油輸出ルートを持つのはUAEとサウジアラビアだ。
UAEでは、アブダビの油田地帯から海峡外のフジャイラ港へ原油を送るADCOPが稼働している。輸送能力は日量150万~180万バレル程度。建設中の新西東パイプラインは2027年の完成が見込まれ、既存線と合わせた輸送能力は理論上、日量約330万バレルに達する可能性がある。
迂回パイプラインは海峡への依存を軽減し得るが、従来の通航分を全面的に代替できるわけではない。港湾や貯蔵施設、パイプライン自体が攻撃や安全保障上のリスクにさらされる可能性もあり、供給途絶の危険を完全に解消するものではない。
