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徳島大の西庄俊彦准教授らが、悪性骨・軟部腫瘍に対し、青色LED光を使う新たな治療法の研究開発を進めている。将来的に腫瘍縮小や手術時の切除範囲の抑制につなげ、腕や脚の機能をできるだけ残す治療選択肢を増やすことが狙いだ。現段階は臨床応用を目指す開発段階であり、「光を当てれば治る」といった段階にはない。
細胞実験から体内実証へ
西庄准教授らはこれまでの研究で、青色LEDの光が滑膜肉腫細胞の増殖を抑えることを示してきた。滑膜肉腫は、筋肉や脂肪、血管などの軟部組織にできる悪性腫瘍の一種で、治療では腫瘍を取り切ることと機能を残すことの両立が大きな課題になる。
西庄氏らの論文は、青色LEDが肉腫細胞の増殖を抑え、正常細胞を傷つけない可能性を示す内容として掲載されている。研究では、細胞が自ら死に向かう「アポトーシス」と呼ばれる仕組みとの関係も焦点になっている。がん細胞への選択的な作用を詳しく調べ、治療として使える形に近づけることが研究の課題となる。
今回の開発では、なぜ青色LED光が効くのかという作用機序の解明に加え、実際の体内で効果が出るかの確認、生体内で使えるLEDデバイスの試作が柱になる。骨や筋肉の深い場所にある腫瘍では、皮膚の外から光を当てるだけでは届きにくい。光を患部に届ける装置づくりが、臨床応用への重要な関門となる。
広範切除の負担を減らす選択肢
悪性骨・軟部腫瘍の治療では、腫瘍を周囲の正常組織ごと取り除く広範切除が中心となる。再発を防ぐためには十分な範囲を切除する必要がある一方、切除範囲が広がれば、手足の動きや生活機能への影響も大きくなる。
青色LED光による抗腫瘍効果が治療に応用できれば、手術前の腫瘍縮小や切除量の抑制につながる可能性がある。研究は滑膜肉腫などの軟部腫瘍にとどまらず、骨腫瘍や転移性骨腫瘍も視野に入れて展開されている。
今後の焦点は、深部腫瘍へ安定して光を届ける技術、体内での有効性、安全性の確認である。基礎研究で見えた効果を、患者に使える治療へ橋渡しできるかが問われる。
参考・出典
- 〖西庄俊彦准教授〗クラウドファンディングに挑戦中! – 徳島大学基金ページ
- 患者さんの「命と動ける日常」を守るために ―光を使った新しい骨や筋肉の腫瘍の治療研究への挑戦― – 大学クラウドファンディングサイト Otsucle[おつくる]
- 患者さんの「命と動ける日常」を守るために ―光を使った新しい骨や筋肉の腫瘍の治療研究への挑戦― – 大学クラウドファンディングサイト Otsucle[おつくる]
- 〖終了〗悪性骨・軟部腫瘍に対する青色LED光を用いた新規治療開発 – 徳島大学研究クラスター TOKUSHIMA UNIVERSITY
- KAKEN — Research Projects | LED光による転移性骨腫瘍の新規治療開発
- Blue Light Emitting Diode Suppresses Sarcoma Cell Proliferation via the Endogenous Apoptotic Pathway Without Damaging Normal Cells | CiNii Research
