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タムロンは2026年6月19日、大阪大学との共同研究で、耐熱性に優れたチップ型の「MIM(金属-絶縁体-金属)メタサーフェス近赤外光源」を実用化したと発表した。分光分析や検査に使う近赤外光源の小型化と省電力化につながる技術として位置づけている。
必要な波長を狙って出すチップ型光源
実用化したのは「MIM構造を用いたメタサーフェス近赤外光源」。MIMは金属、絶縁体、金属を重ねた構造を指し、光の出方を微細な表面構造で制御する。共同研究の相手は国立大学法人大阪大学の髙原淳一教授である。
近赤外光は、物質に光を当てて成分や状態を調べる分光分析で広く使われる。従来のランプ系光源は、検査に必要のない波長まで放射しやすく、エネルギーロスや発熱が課題だった。熱を抑えるために冷却装置が必要になり、分析・検査装置全体の大型化にもつながっていた。
今回の光源は、必要な波長を狙って効率よく放出できる点が特徴だ。光源そのものをチップ化しながら、実用上の障害だった熱劣化への耐性を高めたことで、薄型・軽量の分析機器に組み込みやすくなる。
携帯型検査機器への展開も視野
この技術は、分析・検査装置の小型化やハンディ型化につながる可能性がある。大型装置に頼っていた検査を現場に近づけられれば、食品、素材、製造工程などでの確認作業をより手軽にできる余地が広がる。
タムロンはこの成果について、2026年6月時点の同社調べとして、「MIM構造を用いたメタサーフェス近赤外光源の実用化において世界初」と説明している。コマーシャルサンプルは2026年秋から順次提供する予定で、同社は2026年7月3日に大阪府茨木市の立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催される「赤外線アレイセンサフォーラム2026」で、技術内容の講演とサンプル展示を行う。代表値として、発光体500℃時の消費電力は1.5W、発光体500℃・連続発光時の寿命は1000時間以上と公表している。今後は出力など未公表の性能、量産化の見通し、実際の適用分野が確認点となる。
