TDK、米Fabric8Labsを最大4億ドルで買収

TDK、Fabric8Labsを最大4億ドルで買収へ AIデータセンター冷却を強化

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TDKは10日、米Fabric8Labsの買収に向けた最終契約を締結したと発表した。買収額は最大4億ドルの現金で、前払い金と複数年にわたるアーンアウトで構成される。取引完了後、Fabric8LabsはTDKの完全子会社となる予定だ。TDKはAI需要で重要性が増すデータセンター向けサーマルマネジメント部品を広げるとともに、Fabric8Labsの金属3Dプリント技術を受動部品にも応用する狙いがある。

最大4億ドル、段階払いで取得へ

買収対価は前払い金と、複数年にわたるアーンアウトで構成される。アーンアウトは、買収後の業績や事業進捗に応じて追加で支払う仕組みで、4億ドル全額を一括で支払う形ではない。クロージングには規制当局の承認を含む通常の条件が付く。

Fabric8Labsはカリフォルニア州サンディエゴに本社を置く2015年設立の企業で、従業員は約150人。中核技術はECAMと呼ばれる電気化学的な金属積層技術だ。Fabric8Labsは、室温の水系プロセスにより、微細構造や複雑な内部形状を持つ金属部材を作れると説明している。同社はデータセンター液冷や熱管理、通信、電力電子などを主要市場に位置付ける。

TDKはこの技術を取り込み、データセンター冷却システム向けのサーマルマネジメント部品を数年以内に拡大する方針だ。AI向け半導体の高性能化で発熱対策はデータセンター運営の制約になりつつあり、冷却部材は電力効率や設備設計を左右する重要部品になっている。

AIデータセンターをにらむ中期計画の一手

今回の買収は、TDKが2025年3月期から2027年3月期までを対象とする中期経営計画の中で進める、データセンター関連事業強化の一環だ。同社はAIデータセンター関連用途の受動部品売上を各施策を通じて大きく伸ばす方針を示しており、Fabric8Labsの取り込みはその流れに沿う。

受動部品はコンデンサーやインダクターなど、電子回路を支える基本部品を指す。TDKは冷却向け部材にとどまらず、Fabric8LabsのECAM技術を自社の受動部品にも応用していく考えだ。製造技術を取り込むことで、部品の形状や材料設計の自由度を高める余地がある。

TDK VenturesはFabric8Labsにシード段階から出資しており、今回のM&Aは、シード段階から関係を持つ投資先を本体の事業戦略に取り込む案件でもある。取引は規制当局の承認などを条件としており、クロージング時期や対価の内訳、連結業績への寄与時期、量産時の製品群や供給体制は今後の開示で明らかになる。

参考・出典

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