東京都足立区のOrbrayと英Element Six、3インチダイヤ生産を確立

Orbray、3インチ単結晶ダイヤモンド結晶の生産技術を確立 2インチ量産準備も最終段階

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Orbrayと英Element Sixは16日、次世代半導体向けの直径3インチ単結晶ダイヤモンド結晶の生産技術を確立したと公表した。4インチ結晶の開発にも着手し、2インチウェハは量産準備の最終段階に入った。大口径化と量産準備が進んだ形だ。

3インチ結晶で大口径化、2インチは量産準備へ

Orbrayは、独自のステップフロー成長技術を発展させ、3インチ単結晶ダイヤモンド結晶の生産技術を確立した。同社はこの成果を「世界最大級」と位置付けている。ダイヤモンドは熱を逃がしやすく、高い電圧にも耐えやすい特性を持つため、電力変換や高周波用途などで期待されるワイドバンドギャップ半導体の有力候補とされる。

半導体材料では、結晶やウェハの直径が大きくなるほど、1枚から取れるチップ数を増やしやすい。量産時のコスト低減につながるため、大口径化は研究成果を製品に近づける重要な工程となる。ただ、3インチ品は現時点では研磨技術の開発と製品化準備の段階であり、3インチウェハの量産開始を意味するものではない。

次の段階として、両社は4インチ結晶の開発にも着手した。Orbrayは4インチ化が実現すれば既存の半導体製造ラインへの適用が可能となり、社会実装の加速が期待できるとしている。一方、2インチ単結晶ダイヤモンドウェハはElement Sixのグレシャム工場で量産準備の最終段階にあり、デバイスメーカーや研究機関による試作・評価、熱対策用途への供給に向けて製品化を急ぐ。

2024年提携後の初の共同成果

Orbrayは2021年9月、独自のステップフロー成長法を用いた直径2インチ単結晶ダイヤモンドウェハ「KENZAN Diamond」を開発した。2024年6月にはElement Sixと戦略的提携を結び、必要な知的財産を相互に利用するクロスライセンスを通じて、ダイヤモンド製造技術の高度化を進めてきた。今回の3インチ結晶は、その共同開発の最初の成果に当たる。

両社の役割分担は明確だ。Orbrayは大口径単結晶ダイヤモンドの製造技術を持ち、Element Sixは高品質ダイヤモンドウェハの量産技術と生産設備を持つ。研究室レベルの材料を、半導体メーカーが評価しやすい形で安定供給できるかが実用化の分かれ目となる。

今後の焦点は、3インチ品の製品化時期、2インチ品の量産開始時期と供給規模、4インチ開発の進捗に移る。ダイヤモンド半導体はなお実装途上の材料だが、大口径化のロードマップと足元の量産準備が同時に示されたことで、実用化に向けた工程は一段具体化した。

参考・出典

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