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豪政府は4月21日、豪国防軍の対ドローン防衛能力を強化するため、統合投資計画(IIP)の下で今後10年間に最大70億豪ドルを投じる方針を打ち出した。4月16日に公表した2026年国家防衛戦略(NDS)と2026年IIPで掲げた無人・自律系重視を、わずか数日で具体契約に移した格好で、同日には豪企業2社への初期契約も公表した。
初期契約2件と迎撃技術の二本柱
初期案件の契約額は、AIM Defence向けが2130万豪ドル、SYPAQ Systems向けが1040万豪ドルで、合計3170万豪ドルに上る。AIM Defenceは高出力対ドローン・レーザー「Fractl」の能力と即応性の向上を担い、SYPAQ Systemsは大型ドローンを追尾し、標的化して破壊する迎撃ドローン「Corvo Strike」を開発する。
案件はいずれもAdvanced Strategic Capabilities Accelerator(ASCA)の「Mission Syracuse」を通じて進められる。ASCAは、豪国防軍の既存統制システム「LAND156」との統合も支援し、国産技術の開発にとどまらず、実際の運用に結び付ける段階まで視野に入れる。
ウクライナ戦争や中東紛争を通じて無人航空システムの戦場での使用が急速に拡大しており、国産の対ドローン解決策が不可欠となっている。レーザー迎撃と迎撃ドローンを並行して進める構図は、脅威の多様化に対応する狙いを映している。
4250億豪ドル計画の中で進む対ドローン重点化
今回の70億豪ドル枠は、4月16日に公表された2026年IIPの大きな投資枠の中で具体化されたものだ。IIP全体は今後10年間で約4250億豪ドルの規模とされ、このうちドローン、対ドローン、自律システム技術全体には最大220億豪ドルが配分される。対ドローン分野への最大70億豪ドルは、その広い重点投資の中でも優先度の高い領域として位置付けられる。
豪軍ではすでに対小型無人機計画「Project Land 156」が進んでおり、2月時点では対UAS能力の強化へ10年間で総額13億豪ドルを投じる方針が示されていた。今回の発表は、既存の対UAS投資に加えて対ドローン分野への資金投入をさらに拡大し、主権的な防衛産業基盤の強化と能力取得の加速を前面に押し出した流れといえる。
今後の焦点は、最大70億豪ドルの年度ごとの配分や追加契約の行方、各システムの配備時期、そして国産化をどこまで広げるかに移る。NDSとIIPで示した無人・自律系重視が、試験導入にとどまらず継続的な調達と運用体制の整備に結び付くかが注目される。
