イラン指導部は機能維持 米情報機関「体制崩壊の兆候なし」
軍事圧力を強めても、体制そのものはすぐには揺らがない――。米情報機関は、米国とイスラエルによる対イラン攻撃が続くなかでも、指導部中枢はなお機能を保ち、近い将来の崩壊兆候は見えないとみている。戦果の誇示とは別に、政権転覆の難しさが改めて浮かんだ。
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軍事圧力を強めても、体制そのものはすぐには揺らがない――。米情報機関は、米国とイスラエルによる対イラン攻撃が続くなかでも、指導部中枢はなお機能を保ち、近い将来の崩壊兆候は見えないとみている。戦果の誇示とは別に、政権転覆の難しさが改めて浮かんだ。
米政権は、非常事態権限による一律関税が司法判断で揺らいだ後も、通商圧力を弱める構えを見せていない。今度は相手国の「過剰生産能力」を不公正慣行として捉え直し、日本を含む主要貿易相手に新たな関税発動の道を開く調査に踏み出した。争点は緊急権限の適法性から、各国の産業政策そのものへ移りつつある。
ホルムズ海峡の再開見通しがさらに遠のいている。ロイターが3月11日、複数の関係筋の話として、イランが海峡内におよそ十数個の機雷を敷設したと報じた。米国とイスラエルの対イラン軍事行動で原油やLNGの通航はすでに大きく滞っており、機雷の位置確認と除去が必要になれば、商業船の本格運航再開は一段と難しくなる。
主要7カ国(G7)は3月11日のオンライン首脳会議で、中東情勢の急変に伴う原油高や供給不安が広がる局面でも、ロシア制裁の解除には踏み込まない方針を確認した。フランス大統領府によると、米国とイスラエルによるイラン攻撃と、その後の報復が世界経済とエネルギー市場を揺らすなかでも、ウクライナ支援と対ロ圧力を後退させない姿勢で一致した。
ペルシャ湾岸の3カ国が、政府系ファンドを通じて進めてきた海外投資の拡大路線を点検し直す局面に入った。湾岸高官によると、米国とイスラエルによるイラン攻撃が地域全体の軍事衝突に広がれば、保有資産の評価損だけでなく、新規案件の執行遅れや既存契約の見直しも避けにくい。原油高が歳入を押し上げる場面でも、地政学リスクの上昇は長期投資の前提を揺るがすためだ。
イラクの米外交拠点が3月10日、無人機攻撃を受けた。ロイターが確認した国務省の内部アラートなどによると、施設内の要員に負傷者は出ておらず、全員の無事を確認した。米軍施設だけでなく外交関連施設にも攻撃が及び始めたことで、中東で拡大する米国と親イラン勢力の応酬が、在外公館の運営と退避判断に直接影響する局面に入った。
ウクライナ、ロシア、米国による次回の三者和平協議を巡り、開催地としてトルコ案が改めて浮上した。ウクライナのゼレンスキー大統領は2026年3月10日、トルコのエルドアン大統領との電話会談後、トルコ側が次回協議の受け入れに前向きな姿勢を示したと明らかにした。停戦条件や安全保障の枠組みで隔たりが残る中でも、交渉の場を維持しようとする動きが続いている。
イラン当局が3月10日に公表した30人の一斉摘発は、対外戦争への対応と国内統制が一体化していることを示した。情報省は、米国とイスラエルのために活動したスパイや工作員をここ数日で拘束したと説明し、外国人1人も含まれるとした。軍事圧力が続く局面で、外部からの浸透阻止を前面に出し、治安維持を一段と強める姿勢が鮮明になった。
米国とイスラエルによる2月28日以降の対イラン空爆を巡り、被害が軍事目標にとどまらず民間部門へ広がっているとのイラン側の訴えが強まっている。イランのイラワニ国連大使は3月10日、学校や住宅を含む約1万の民間施設が破壊され、民間人の死者は1300人超に達したと表明した。首都テヘランでは燃料貯蔵施設への攻撃で汚染物質が放出されたとし、人的被害に加えて環境面の影響も国際社会に訴えた。
ウクライナ和平を巡る次の協議日程が、米国側の要請でいったん仕切り直しとなった。ゼレンスキー大統領は3月9日、今週見込まれていたロシアとの新たな協議が延期されたと明らかにしつつ、ウクライナは形式や開催地を問わず、いつでも協議に応じる用意があると強調した。交渉の継続姿勢を保ちながら、主導権を失わない狙いがにじむ。
イランが停戦論に一定の条件を示した。カゼム・ガリババディ外務次官は3月9日、米国との停戦を巡って中国、ロシア、フランスなどがテヘランに接触してきていると明らかにしたが、受け入れの前提としてまずイランへの攻撃停止を求めた。仲介の動きが広がる一方、イラン側は戦闘が続く間は本格協議に入らない姿勢を崩しておらず、外交接触が直ちに停戦合意へつながる局面ではない。
中東情勢の緊迫でホルムズ海峡の安全確保が改めて焦点となる中、高市早苗首相は2026年3月9日の衆院予算委員会で、同海峡でのタンカー護衛を巡って「日本政府に対して米国から要請はない」と述べた。米側の軍事的関与が現実味を帯びる一方、日本として自衛隊派遣の判断を直ちに迫られている段階ではないことを示した発言だ。
欧州が武器輸入の中心地域へ一気に浮上した。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が3月9日に公表した2021~2025年のデータによると、欧州の輸入シェアは世界全体の33%に達し、前の5年期の12%から大幅に拡大した。ロシアの脅威に備える再軍備に加え、米国の安全保障関与を巡る不透明感が各国の調達を後押しし、世界の武器移転量も押し上げた。
サウジアラビアが、米国とイランの衝突を巡って外交解決を支持しつつも、自国領や石油関連施設への攻撃が続けば対抗措置に踏み切る構えをイラン側に伝えていたことが分かった。複数の関係筋が8日、ロイターに明らかにした。対立の拡大回避を優先しながら、防衛線を越える事態には軍事面も含む選択肢を示した格好で、湾岸の安保環境は一段と緊迫している。
予測市場運営のKalshiが、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の去就を巡る契約の決済をめぐって集団訴訟に直面した。米時間3月5日に起こされた訴えでは、「3月1日までに最高指導者の座を離れるか」を問う市場で、結果が生じたのに満額が支払われなかったとして、約5400万ドル相当の支払いを求めている。
高市早苗首相は3月9日の衆院予算委員会で、米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けた中東情勢の緊迫化を踏まえ、日本の原油調達先の拡大を検討していると明らかにした。日本は輸入原油の多くを中東に依存し、主要航路であるホルムズ海峡の混乱はエネルギー供給と物価の両面に波及しやすい。政府は燃料価格や電気・ガス料金への影響も見据え、家計と企業活動への打撃を抑える対応を急ぐ構えである。
イラク南部の主要油田で原油生産が急減した。3月8日に業界関係者が明らかにしたところでは、生産量は平時の4割弱にあたる日量130万バレルまで落ち込み、減少幅は約7割に達した。米国とイスラエルの対イラン攻撃を機にホルムズ海峡の通航が滞り、タンカーが南部ターミナルに近づけなくなったことが直撃した。産油量そのものではなく、積み出し不能が上流の操業停止を招いた構図である。
トランプ大統領が3月7日、英国による中東への空母派遣論を突き放した。イランとの戦闘を巡って英軍の関与が広がるのか注目されるなか、米国は「勝つために必要ない」と自信を示しつつ、英国の対応の遅さへの不満ものぞかせた。英政府は米軍支援と戦線拡大回避の間で難しい判断を迫られており、米英の足並みの乱れが改めて表面化した。
重要鉱物の調達を巡り、G7内で対中依存の減速と米国案への距離の取り方が新たな論点になっている。ロイターが3月6日(日本時間7日)、トロント発で報じたところによると、日本、フランス、カナダの高官は、米国が主導する貿易ブロック構想とは別に、供給網を組み替える選択肢を検討している。狙いは中国に偏ったレアアースなどの供給を分散し、価格だけでなく経済安全保障の観点から調達基盤を立て直すことにある。
イランのペゼシュキアン大統領は8日、自身が前日に示した「近隣国を攻撃しない」との方針が、周辺国との分断を狙う敵に曲解されたと釈明した。発言は湾岸諸国への攻撃停止を示唆する軟化と受け止められていたが、今回は報復の権利を維持しつつ、近隣諸国との対立は望まないという線引きを改めて打ち出した形である。米国やイスラエルとの衝突が続くなか、軍事対応と地域外交をどう両立させるかが改めて問われている。