制裁を追加解除の可能性、米がベネズエラ支援 圧力から資金管理へ
米国がベネズエラ向け制裁の追加解除に踏み込む可能性が浮上した。石油販売を後押しして外貨を回し、経済再建と政治の安定化を同時に狙う構図で、制裁を「圧力」から「資金循環の管理」へ切り替える転機になり得る。
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米国がベネズエラ向け制裁の追加解除に踏み込む可能性が浮上した。石油販売を後押しして外貨を回し、経済再建と政治の安定化を同時に狙う構図で、制裁を「圧力」から「資金循環の管理」へ切り替える転機になり得る。
米国とベネズエラの断交状態が、在外公館の再開を見据えた実務協議へと動き出した。ベネズエラ政府は2026年1月9日、外交関係の再開に向け米国と協議を始め、外交団を米国へ派遣すると表明し、米側も同日カラカスに代表団を送った。
米国の勢力圏を「西半球」にまで明確に線引きする発言が、同盟国や周辺国に波紋を広げている。トランプ米大統領は2026年1月9日、ホワイトハウスで記者団に、中国とロシアの影響力を南北米大陸周辺から退けたい考えを示し、ベネズエラやデンマーク自治領グリーンランドに「いてほしくない」と述べた。
トランプ米大統領は2026年1月9日、ベネズエラの承認なく同国を出港した石油タンカーを、米側が拿捕(だほ、当局が船を取り押さえる措置)したとSNSに投稿した。米当局も同日、カリブ海でタンカー「Olina」を押収手続き中で、ここ数週間でベネズエラ関連の拿捕は5隻目になると位置づけている。
トランプ米大統領は1月9日、ホワイトハウスで米石油大手の幹部と会い、ベネズエラの石油産業再建に向けて総額1000億ドル規模の投資を促した。参加企業は政権が選ぶとした上で、現地操業に必要な保護など「安全保障」を提供し、最大5000万バレルの供給合意を材料に、米国内のエネルギー価格押し下げを狙う構図だ。
米財務省のスコット・ベセント長官は2026年1月8日、ベネズエラの石油分野への投資を巡り、大手は意思決定が遅くなりやすい一方、投機的な小規模企業や独立系(大手資本に属さない)企業は早く動く可能性が高いと述べた。ミネソタ経済クラブでの講演で、制裁(取引禁止など)運用の難しさと企業行動の差を結び付けた。
ベネズエラで1月8日、当局が「多数」の拘束者を段階的に釈放すると表明し、外国籍を含む一部の解放が確認された。ロイター通信によると、スペイン政府は自国民5人の釈放を発表し、人権活動家ロシオ・サンミゲル氏も含まれるという。動きは、米軍がニコラス・マドゥロ前大統領を拘束し、麻薬犯罪などの容疑で米国での訴追手続きが進むなかで起きた。
米上院は米東部時間1月8日、トランプ大統領が議会承認なしにベネズエラへの追加の軍事行動に踏み切ることを禁じる「戦争権限法(War Powers Resolution)にもとづく決議案」を、来週から本会議で審議するための動議を可決した。採決は賛成52、反対47で、共和党議員5人が民主党全員とともに賛成し、共和党1人が棄権した。
ベネズエラでの米軍作戦をめぐり、トランプ米大統領は2026年1月7日に米紙ニューヨーク・タイムズの取材を受け、中国が台湾への武力行使に踏み切る際の「前例」にはならないとの見方を示した。同紙が1月8日に報じ、ロイターなども伝えた。大統領は、ベネズエラは米国への「真の脅威」だったが、台湾を巡る中台関係は性質が違うと述べた。
米国のクリス・ライト・エネルギー長官は1月8日、ベネズエラ産原油を巡り、米国が同国で主導権を握る限り、中国との商取引の余地は残す考えを示した。対中牽制を前面に出しつつも、中国がすでに権益を持ち輸入を続けてきた現実を踏まえ、「排除一辺倒」にはしない姿勢がにじむ。
トランプ米大統領が、米国によるベネズエラへの「監督(監視)」が数年単位に及ぶ可能性を示唆した。1月8日付の報道によると、期間を問われ「3カ月や1年ではなく、もっと長くなる」との趣旨で語ったという。再建策としては、同国の石油を活用して原油価格の押し下げを狙い、資金も供給する考えを示し、デルシー・ロドリゲス暫定大統領の政府と「良好な関係」にあるとも述べた。
小泉進次郎防衛相は2026年1月8日午前、フジテレビの番組で、米国によるベネズエラ攻撃が「中国による台湾侵攻の正当化」に使われかねないとの懸念について問われ、「正当化される理由は何らない」と述べた。台湾問題は平和的解決を期待するという日本の立場は一貫しているとも強調し、国際情勢が不安定な中でも、日本は自前の防衛力整備と丁寧な説明を進める考えを示した。
ベネズエラが準備資産(外貨準備)の一部として英イングランド銀行に預ける金塊について、英メディアは1月6日、約30トン規模で数十億ドル相当に達し得ると報じた。だが金は引き出せず、誰が中央銀行(BCV)を代表して指図できるかをめぐる英国での訴訟と、英国政府の承認方針が足かせになっている。
ルビオ米国務長官は1月7日、ベネズエラを巡り「安定化→復興→政権移行」の3段階で関与する構想を示した。第2段階では米国の石油企業のアクセス回復を位置づけ、第3段階では移行プロセスを監督すると説明した。上下両院の全議員向けに機密ブリーフィングも行い、暫定当局に対する米国の管理と影響力を確保する枠組みが重要だとの考えを示した。
ベネズエラのカベジョ内相は2026年1月7日夜、ニコラス・マドゥロ大統領の拘束につながった米軍の作戦で「これまでのところ」死者が少なくとも100人、負傷者も同程度に上ると明らかにした。政府として全体の死者数を示すのは初めてで、軍・市民双方に犠牲が出た可能性がある。
米ホワイトハウスのカロライン・レビット報道官は2026年1月7日、米政府がベネズエラ向け制裁を「一括」ではなく、対象を選びながら緩めていく方針を示した。ベネズエラの選挙を巡る日程の公表については、まだ語る段階にないとの認識も示した。
米トランプ政権は2026年1月7日、ベネズエラの石油取引に関わり制裁対象とみるタンカー2隻を、北大西洋とカリブ海で相次いで拿捕(だほ)したと発表した。北大西洋で差し押さえられた1隻はロシア船籍で、ロシア外務省は乗組員の人道的扱いと早期帰国を米国に求めている。
ベネズエラ沖で米国が制裁逃れの疑いがある石油タンカーを追跡する中、ロシアが潜水艦などを護衛目的で派遣したと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を引用してReutersが1月7日に伝えた。米側は昨年12月、いったん無国籍船(旗国を持たない船)として拿捕を試みたが、船は逃走し、途中でロシア船籍に切り替えたという。
ドナルド・トランプ米大統領が1月3日、軍事作戦でベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した後、同国を米国が「運営する」と語った。これに対し、暫定大統領に就いたデルシー・ロドリゲス氏は1月6日、「外国の代理人が統治しているわけではない」と主張し、主権の維持を強調した。
コロンビアのビジャビセンシオ外相は1月6日、仮に米国が侵攻してきた場合、コロンビア軍は領土と主権を守らなければならないとの立場を示した。トランプ米大統領が1月5日、隣国ベネズエラでマドゥロ大統領の拘束に至った軍事行動と同様の作戦を、コロンビアにも行うと警告したことを受けた動きだ。