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東レは、次世代の海水淡水化用逆浸透(RO)膜エレメント「TSW-K/M/Vシリーズ」を開発し、2026年10月に販売を始める。新シリーズは、東レが業界トップレベルと位置づける塩除去率とホウ素除去率に加え、高い薬品耐性を備える。飲料用や産業用で求められる厳しい水質に対応する製品となる。
TSW-400Vで塩除去率99.90%を示す
公式発表と製品ページでは、新シリーズの塩除去率について、TSW-400Kが99.92%、TSW-400Mが99.91%、TSW-400Vが99.90%と示されている。海水淡水化では、海水に含まれる塩分をどれだけ取り除けるかが水質を左右する中核指標となる。
もう一つの焦点がホウ素除去である。ホウ素は分子サイズが小さい中性物質で、塩分に比べて膜でふるい分けるのが難しい。飲料水だけでなく、高い水質管理が必要な産業用途でも、ホウ素を抑える性能は重要になる。
東レは、膜の孔径や微細構造をサブナノメートル領域で制御する技術を開発してきた。ごく小さな孔の大きさや並び方を精密に整えることで、ホウ素を通しにくくしながら水は通しやすくする狙いだ。
同系統の既存品を上回る塩除去率
既存の低圧モデル「TM800V」シリーズのデータシートでは、TM820V-400の塩除去率は99.80%、ホウ素除去率は92%(pH8、ホウ素5mg/L)と示されている。同じ低圧系にあたるTSW-400Vは、塩除去率99.90%、ホウ素除去率94%で、同系統の既存品の公開値を上回る水準となる。
標準モデル同士で見ると、既存の「TM800M」シリーズではTM820M-400の塩除去率が99.80%、ホウ素除去率が95%であるのに対し、新シリーズのTSW-400Mは塩除去率99.91%、ホウ素除去率95%とされている。塩除去率を高めながら、用途に応じてK、M、Vの各モデルを選べる構成といえる。
東レは1968年にスパイラル型のRO膜・NF膜エレメントの製造を開始し、水処理用RO膜で技術水準とシェアの両面から世界トップクラスと位置づけている。海水淡水化や高塩分水処理向けの製品群は、大型淡水化プラントから船舶用途まで幅広い需要を想定する。
発売は2026年10月の予定だ。製品ページとデータシートでは、K、M、V各モデルの塩除去率、透過水量、ホウ素除去率の標準値、基本的な運転条件が示されている。一方、販売地域や価格、個別プラントでの採用計画などは現時点で確認できない。
