山田水産、29日に完全養殖ウナギ蒲焼の世界初試験販売開始

完全養殖ウナギ蒲焼、5月29日試験販売 研究成果を消費者向け商品に

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山田水産は5月29日、人工種苗由来の完全養殖ウナギを使った蒲焼の試験販売を始める。水産研究・教育機構とマリノフォーラム21が水産庁委託事業で培ってきたウナギ人工種苗の量産技術が、研究・実証の段階から消費者向けの商品販売へ進む。3者は5月20日の共同発表で、今回の販売を「完全養殖ウナギ蒲焼の試験販売」として世界初の事例と位置付けた。

年間1万尾超の生産実証から商品化へ

山田水産は2022年度から、水産研究・教育機構とマリノフォーラム21が進めるウナギ種苗の大量生産システム実証・実用化事業に参画してきた。水産研究・教育機構の技術指導を受けながら、人工的に生産したシラスウナギを安定して育てられるかを確かめる役割を担った。

同社は2024年以降、2年連続で年間1万尾以上の完全養殖シラスウナギの生産に成功した。完全養殖とは、天然のシラスウナギを捕って育てる従来型の養殖ではなく、人工的に得た卵からふ化させた稚魚を成長させ、次の世代につなげる仕組みを指す。天然資源への依存を減らす技術として期待されてきた分野である。

販売するのは、委託事業で生産した完全養殖シラスウナギを山田水産が成鰻まで育て、蒲焼に加工した「山田のうなぎ完全養鰻」。内容量はギフト箱2尾セットで、参考価格は税込み9,720円、送料別。規定数量に達し次第、販売を終了する。5月22日に山田水産公式オンラインショップが示した販売日程では、5月29日から山田水産公式オンラインショップと「山田のうなぎ うな骨らーめん 築地本店」で扱う。築地本店は店頭でのパック販売のみで、日本橋三越のフードコレクションでの販売は7月予定とされている。共同発表本文で触れたイオングループのEC販売チャネルについては、商品概要や5月22日の販売日程告知では具体的な開始時期までは示されていない。

商業化を見据えた試験販売の一歩

今回の焦点は、完全養殖ウナギの研究成果そのものではなく、人工種苗から育てたウナギが蒲焼として消費者の前に並ぶ段階へ進む点にある。ウナギ養殖は長く天然シラスウナギの採捕に支えられてきたため、人工種苗を安定的に作り、事業者が育て、商品として売る流れを実際に動かす意味は大きい。

ただし、位置付けはあくまで試験販売であり、本格商業化や大規模な一般流通が始まるわけではない。価格、販路、販売期間が示されたことで商品としての輪郭は見えたが、継続販売に移れるか、どの程度の数量を安定供給できるか、販路をどう広げるかが次の焦点となる。

参考・出典

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