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国内報道によると、政府は、法人の実質的支配者(BO)情報の届出を義務付ける新法を整備する方針を固めた。早ければ2026年秋の臨時国会に法案を提出する方向だ。法人の背後で実際に支配力を持つ人物を公的に把握しやすくし、資金洗浄対策と経済安全保障の強化につなげる狙いがある。
現行は申出型のリスト制度
日本では、実質的支配者リスト制度が2022年1月31日に始まっている。現行制度は、株式会社(特例有限会社を含む)からの申出に基づき、商業登記所が実質的支配者情報一覧を確認・保管し、その写しを交付する仕組みだ。
現行の実質的支配者リスト制度で対象となるBOは、株式会社の議決権総数の4分の1を超える議決権を直接または間接に持つ自然人等を基本とする。要するに、名義上の株主や役員だけでなく、会社を実質的に動かせる立場にある人物を把握するための考え方である。ただし、新法で対象となる法人やBOの範囲は現時点で固まっておらず、今後の制度設計で詰められる。
今回の新法整備は、BOという概念を新たに作るものではない。これまでの申出型の仕組みから、法人側に届出義務を課す制度へ踏み込む点に意味がある。
国際基準に沿う届出義務型への転換
国際的な資金洗浄対策を担う金融活動作業部会(FATF)は2022年3月、登録機関などの公的機関が法人のBO情報を把握できる仕組みの義務化を含む勧告改訂を行った。2023年2月には、信託のBO把握を強める方向でも勧告を改訂している。
BO情報の把握は、犯罪収益の移転防止やテロ資金供与対策の基盤となる。ペーパーカンパニーや複雑な持ち株構造を使って本当の支配者を隠す手口に対し、公的機関が必要な情報へアクセスできるようにすることが制度改正の柱となる。
今後の焦点は、対象となる法人の範囲、設立時や変更時の届出方法、更新義務、虚偽届出や不届出への罰則、捜査機関や税務当局、金融機関などがどこまで情報にアクセスできるかに移る。商業登記制度や会社法、犯罪収益移転防止法との接続をどう設計するかも課題となる。
