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NECと米Anthropic、三井住友フィナンシャルグループ、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、大和証券グループ本社など国内金融機関8社は6月11日、生成AIを活用した金融分野の新たな価値創出と業務変革に向け、共同検討を始めると発表した。金融サービスの高度化と、社内業務の生産性向上を両面から進める。
3本柱はサービス高度化、業務改革、基盤強化
共同検討の柱は、金融サービスの品質・付加価値向上、業務プロセス変革と生産性向上、サイバーセキュリティ対策強化とITモダナイゼーションの3つだ。顧客向けサービスでは、生成AIを使って利用者体験を改善し、金融機関が提供するサービスの質を高めることを目指す。
社内向けには、オフィスワークを中心に業務の効率化や働き方の高度化を探る。単に文章作成をAIに任せるという段階にとどまらず、金融機関の業務知見を持ち寄り、各社が開示可能な範囲で業界横断の協働体制をつくる。
システム面では、クラウド活用やITインフラの近代化、サイバー攻撃への備えも対象にする。ITモダナイゼーションとは、古い仕組みや運用を現在のデジタル環境に合わせて作り替える取り組みで、金融インフラの安定性や回復力を高める狙いがある。
戦略的協業を金融分野で具体化
今回の枠組みは、NECとAnthropicが4月23日に公表した戦略的協業の一環だ。両社は日本市場向けに、セキュアな業種別の業務特化型AIソリューションを共同開発するとし、第一弾の対象領域に金融、製造、自治体を挙げていた。
4月時点で第一弾の対象に挙がっていた金融分野の取り組みが、金融8社を交えた検討・共創に進んだ。現時点で一斉導入や商用サービス開始が発表されたわけではない。今後は、対象業務の選定や導入範囲、金融データを扱う際の管理・利用制御など、実装に向けた運用設計が確認点となる。
