日印首脳、牛ふん活用のバイオガス戦略で合意へ 農村活性化へ

日印首脳、牛ふん由来バイオガスで新枠組み合意へ CNG車需要250万台規模

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複数の日本・インド報道によると、高市首相とナレンドラ・モディ首相は、ニューデリーで2日(現地時間)に開く日印首脳会談で、インド農村部の牛ふんなどを活用した「バイオガス戦略イニシアチブ」に合意する見通しだ。発酵で生じるメタンを精製・圧縮してCNG車向け燃料に使い、農村の所得向上や廃棄物活用を進める。CNG車250万台規模の新規需要創出も見込む。

1000基規模へ広げる実務基盤

外務省は、高市首相が7月1日から3日までインドを訪問し、モディ首相と日印首脳会談を行うと発表している。会談では、2025年8月に示した今後10年の共同ビジョンの下で、エネルギーを含む経済安全保障や、投資・イノベーションを通じた経済成長の強化を協議する。

複数報道では、構想の中核として、牛ふんなどの発酵で得たメタンを精製・圧縮し、CNG車向けの圧縮バイオメタンガス(CBG)として供給する施設を、インド国内で1000基規模に広げる計画が示されている。CNG車は圧縮天然ガスを燃料に走る車で、家畜由来のバイオガスを使えば、農村で生まれる資源を交通燃料として活用しやすくなる。

この協力は首脳会談前に突然浮上した案件ではない。スズキ、インド全国酪農開発機構(NDDB)、Banas Dairyは2023年9月、グジャラート州バナスカンタ地区で牛ふん由来の圧縮バイオメタンガスを生産する4つのプラントを設ける三者協定を結んだ。スズキは2024年7月に5基目のプラントで基本合意し、同年10月にはAmul Dairy、Dudhsagar Dairyの2つの乳業組合とも新たなプラント設置で合意した。2025年には先行プラントが稼働を始めており、企業と乳業協同組合の実務案件を国家間構想に引き上げる形となる。

農村振興と自動車需要を結ぶ狙い

インド側にとっては、農村部に豊富にある家畜由来資源を燃料化し、農家の所得向上、廃棄物利用、クリーンエネルギー供給を同時に進める地域振興策となる。NDDBは乳業協同組合網を通じて農村経済を支えてきた機関であり、牛ふんを集めて燃料に変える仕組みは既存の協同組合ネットワークと相性がよい。

日本側には、環境協力にとどまらず、インドでガス燃料車の需要を底上げする狙いがある。燃料供給網が整えば、バイオガスを使う車の市場を広げやすくなるため、インドで事業基盤を持つ日本の自動車メーカーにとっても重要な意味を持つ。

今後の焦点は、首脳会談後の共同文書や発表資料で示される正式な枠組みの内容だ。1000基規模の施設整備の年限、対象州、資金手当て、実施主体、参加する日本企業の範囲などが、構想の実効性を左右することになる。

参考・出典

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