日本の高市首相とインド・モディ首相、デリー会談で経済安保とAI協力深化

日印首脳、経済安保とAIで共同声明 防衛・エネルギー協力を実務段階へ前進

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高市首相とインドのモディ首相は現地時間7月2日午前11時30分(日本時間同日午後3時)から、デリーで約90分会談し、日印の戦略的協力関係を深化させることで一致した。会談後、共同声明や経済安全保障協力、AI、エネルギー強靱性に関する成果文書を発表し、防衛や先端技術、投資促進を一体で進める姿勢を打ち出した。

安保と経済安保を束ねた協力強化

安全保障分野では、昨年改定した安保協力に関する共同宣言を土台に連携を強める。両首脳はインド洋などでの訓練深化、艦艇整備協力、装備品協力の推進で一致し、艦艇搭載用通信アンテナ「UNICORN(ユニコーン)」の移転に向けた進展を歓迎した。インド国内製造を重視する「メイク・イン・インディア」を前提に協力を広げる方針で、外務・防衛閣僚協議に当たる日印「2+2」を年内に開催するよう関係部局に指示した。

経済安全保障は、両国が戦略的に協力すべき最優先課題の一つに位置付けられた。サプライチェーン、つまり重要物資や部品の供給網を一国や一地域に過度に依存しないよう強くする取り組みを、官民で具体化する段階に入る。モディ首相は共同記者発表で、半導体、量子、先端材料などの戦略分野で供給網の強靱化を進める考えを示した。

エネルギー分野では、「POWERR Asia」の下で原油・石油製品備蓄に関する二国間対話を立ち上げる。経済産業省とインド石油・天然ガス省は、石油備蓄強化を含むエネルギー強靱性の共同声明を発表した。両国はまた、バイオガスと有機肥料プラント整備を軸とする「日印CBG(Cooperative Biogas for Growth)イニシアティブ」の立ち上げでも一致し、インドの整備目標を踏まえた協力を進める。

経済面では、昨年掲げた対印民間投資10兆円目標に対し、すでに2兆円規模の投資が決定されていることを歓迎した。今回の訪印には150社を超える日本企業関係者が参加し、約120件の協力文書が発表された。AI分野では、大規模言語モデル(LLM)の共同研究開発や先端AIへの対応を含む協力を進め、日本企業の進出や産官学連携を通じてイノベーション協業を広げる。

インド太平洋をにらむ実務協力の加速

両首脳は、日本が掲げる進化版「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と、インド側の海洋構想「MAHASAGAR」が目的を共有すると確認した。中国をめぐる諸課題、北朝鮮情勢、中東情勢、ホルムズ海峡の安全航行も協議し、二国間協力をインド太平洋全体の安定に結び付ける姿勢を明確にした。

今後の焦点は、共同宣言を具体的な工程に落とし込めるかに移る。高市首相はビジネス環境整備の必要性を提起し、両首脳は日印包括的経済連携協定(CEPA)の在り方を現在の経済関係に即して検討することを確認した。投資の実行、経済安全保障協力の工程表、装備品協力の具体化が進めば、2027年の日印国交樹立75周年に向けた関係拡大の土台となる。

参考・出典

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