赤沢経産相、中東歴訪でUAEと原油共同備蓄拡大で一致

危機への「保険」を厚く 赤沢経産相がUAEに原油備蓄増強を提案

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5月6日の複数のテレビ報道によると、赤沢経済産業大臣は5日、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を相次いで訪問し、中東情勢の緊迫化を受けて日本向け原油の安定供給確保を働きかけた。焦点はUAEとの協議で、すでに活用した共同備蓄の迅速な補充と追加拡大について、前向きに具体化を進めることで一致した点にある。数量を伴う追加供給契約ではなく、危機時の備えを厚くするための実務協議を前に進めた形だ。

共同備蓄活用後の補充・拡大

日本はUAE、サウジアラビア、クウェートとの間で「産油国共同備蓄」を実施している。これは、産油国の原油を日本国内のタンクに置き、通常時は産油国が商業的に使いながら、供給不安が高まった際には日本が優先的に調達できるようにする仕組みである。国家備蓄そのものを取り崩す制度とは別に、中東産油国との関係を安全保障の支えに変える枠組みだ。

赤沢氏は3月24日の記者会見で、産油国共同備蓄は3カ国分で計7日分あるとの認識を示し、活用には相手国のエネルギー大臣の了解が必要だと説明していた。4月2日にはUAEのジャーベル産業・先端技術大臣兼ADNOC Group CEO兼日本担当特使とオンライン会談し、共同備蓄の活用について謝意を伝えている。今回の現地訪問は、使った備蓄を戻し、さらに厚くする段階に移ったものと位置づけられる。

赤沢氏は1月にもサウジアラビアとUAEを訪れ、日本への原油の安定供給や国際市場の安定化に向けた協力を働きかけていた。中東情勢を背景に、3月から4月にかけて備蓄放出や代替調達の対応が進む中、今回の訪問はその延長線上にある「補充・拡張」の資源外交といえる。

中東依存の日本に重い供給安定

サウジアラビアではファイサル外相と会談し、エネルギー供給で協力を深める方針を確認したと伝えられている。UAEではジャーベル氏に対し、原油の安定供給、既存の共同備蓄の迅速な補充、共同備蓄の増強などを含む五つの提案を行ったとされる。共同備蓄については800万バレルとの数値も報じられているが、これが契約上の枠、実在庫、放出後の残高のいずれを指すのかは現時点で明確ではない。

日本は原油の約9割を中東地域に依存しており、UAEは2023年時点で日本にとって第2位の原油供給国である。つまり、UAEとの共同備蓄を補充・増強することは、単なる在庫管理ではない。ホルムズ海峡周辺などで緊張が高まった場合に、国内の燃料供給や価格急騰リスクを和らげるための保険を厚くする意味を持つ。

今回の訪問は、6日に予定されたG7貿易大臣会合の直前に行われ、高市首相の親書を携えていたとも報じられている。ただ、五つの提案の全容、800万バレルの定義、サウジ側との具体協議の範囲、G7会合への反映についてはなお確認が必要だ。政府の詳細な公式発表が出れば、合意の射程や実務日程が次の焦点となる。

参考・出典

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