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Google ResearchやHHMI Janelia、英ケンブリッジ大学などの共同研究チームは、オスのキイロショウジョウバエの脳と腹側神経索を一体で再構築した全中枢神経系コネクトームの研究成果を発表した。論文は2026年9月3日付の学術誌「Cell」に掲載され、データセット「MaleCNS v1.0」は6月8日に先行公開されている。
16万6700ニューロンをAIと人手で再構築
対象はオス1個体の中枢神経系で、中央脳、左右の視葉、腹側神経索を、首部の接続を保った状態で収めた。腹側神経索は昆虫で脊髄に相当する神経系で、感覚入力から運動出力までの回路を連続して調べられる。
研究チームは、高解像度電子顕微鏡で得た多数の2次元画像をAIで解析し、ニューロンを3次元に再構築した。結果は専門家が人手で校正・注釈付けしており、AIだけで完成したものではない。
Cell掲載版では、コネクトームは16万6700ニューロンと1万1710のニューロン型を含む。Google Researchは約1億2500万のシナプス結合を含むとしている。データはNeuroglancerなどで閲覧でき、ダウンロードも可能だ。
メスとの比較で高次脳領域に性差
既存のメスのコネクトームとの比較では、雌雄に共通する細胞型が大半を占める一方、性特異的または雌雄で異なる細胞型は高次脳領域に集中した。感覚・運動系の周辺部はおおむね共通していた。
今回の成果により、雌雄で同じ感覚情報が異なる行動回路へ振り分けられる仕組みを、シナプス単位で比較できる。コネクトームは脳機能や行動差そのものを完全に説明するものではなく、回路と行動の関係を検証するための研究基盤となる。
