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ロイター通信が18日報じたところによると、英国政府は日産自動車の英国北東部サンダーランド工場への追加支援を巡り、同社と大詰めの協議を進めている。支援は新モデルや派生車の生産、雇用保護、追加投資を条件とする案で、最終条件はなお流動的だ。
EV拠点として重みを増すサンダーランド
サンダーランド工場は1986年に開設された日産の英国事業の中核拠点で、英国政府は欧州有数の大規模工場の一つと位置付けている。単なる一工場ではなく、完成車生産、電池、部品、人材を結び付ける英国自動車産業の重要拠点だ。
英国政府は2023年11月、日産がサンダーランドでJukeとQashqaiの後継EVを生産する計画を公表した。2021年に公表済みの次世代LEAFを含め、同工場をEV3車種の拠点として位置付ける構想で、日産の直接投資は最大11億2000万ポンド、関連インフラやサプライチェーンを含む新規投資は最大20億ポンドとされた。北東イングランドの投資ゾーンには、10年間で1億6000万ポンドの支援も用意された。
さらに英国政府は2025年12月、次世代LEAFのサンダーランドでの生産開始と、日産による4億5000万ポンド超の投資を公表した。AESCの新電池工場向けには10億ポンド規模の資金調達も確保され、政府系金融や輸出信用支援が関与している。直近では日産と中国の奇瑞汽車が、サンダーランド工場で英国向け車両の受託生産を検討する非拘束の覚書を結んでおり、同工場の稼働率と将来の生産配分が改めて焦点になっている。
未公表の条件と産業政策上の意味
支援額や支援方式、日産に求めるコミットメントの期間、対象が車両生産に限られるのか、電池や部品調達、人材投資まで含むのかといった詳細は明らかにされていない。ロイター通信は、支援が補助金、税制優遇、その他の財政支援の形を取る可能性があると伝えている。正式合意の有無に加え、条件が雇用維持や新モデル配分にどこまで結び付くかが焦点になる。
英国政府にとってサンダーランドは、地域雇用の維持にとどまらない意味を持つ。完成車と電池の両方を国内に抱え続けられるかは、EV時代の製造業基盤を左右する。政府は自動車電動化を加速するため40億ポンド規模の資金を投じる方針を示しており、日産との協議はその象徴的な案件となる。
英国政府は6月13日、日英首脳会談にあわせ、インフラ・金融サービス分野で90億ポンド超、洋上風力で最大90億ポンドの対英投資が見込まれると公表した。日産との協議は、対日投資誘致とEV製造基盤維持が重なる案件でもある。今後は、正式合意の有無に加え、日産がどのような追加投資を示すのか、生産車種や雇用条件がどこまで明確になるのかが注目される。
参考・出典
- Nissan launches £450m next-generation LEAF in major vote of confidence in UK’s Industrial Strategy – GOV.UK
- Nissan triples investment in electric vehicle production in the UK – GOV.UK
- Another boost for British car industry as £1 billion secured for new Sunderland gigafactory – GOV.UK
- Tens of thousands of new jobs and more than £18 billion boost to British economy as Prime Minister meets Japanese leader – GOV.UK
