オーストラリア政府、カナダ向け長距離レーダー供与契約締結

カナダが豪州OTHR技術を導入へ 史上最大規模の防衛輸出契約が具体化

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オーストラリアとカナダは22日(キャンベラ時間)、カナダ北極圏の早期警戒能力整備に向け、豪州設計のOver-the-Horizon Radar(OTHR)技術を取得する政府間契約などに署名した。規模は25億豪ドルで、豪州史上最大の防衛輸出となる。

北極圏監視へ進む豪加協力

署名はキャンベラで行われ、オーストラリアのリチャード・マールズ国防相と、カナダのスティーブン・ファー国防調達担当閣外相が政府間取得アレンジメントに署名した。カナダ政府はこれに加え、オーストラリア、BAE Systems AustraliaとのOTHR権利合意と、BAE Systems Australiaとの産業・技術便益(ITB)合意にも署名したとしている。対象となるのは、カナダで豪州設計の長距離レーダー・システムを構築するためのOTHR技術だ。OTHRは、通常のレーダーでは届きにくい遠方まで監視範囲を広げる仕組みで、広大な北極圏の早期警戒網を補う技術として位置付けられている。

豪加両政府は2025年6月20日、Arctic OTHRに関する技術協力アレンジメントに署名し、オーストラリア側は同年7月18日にこの節目を公表した。協力は、オーストラリアのJindalee Operational Radar Network(JORN)で培った運用・研究の蓄積と、カナダの北極圏高周波レーダー運用の知見を結び付ける内容だった。

2026年3月5日の豪加共同声明と首脳会見で、両国はArctic-OTHR配備に向けた協力継続を確認した。JORNはカナダのArctic-OTHR計画で中核的役割を担う技術基盤とされ、カナダ側の構想は、これまでで最大かつ最も高感度のOTHRシステムを目指すものと説明されている。今回の署名により、共同研究や技術連携の段階から、A-OTHR計画の実装段階へ進んだ。

焦点は後続契約と運用体制

25億豪ドルは第1段階契約として説明されており、カナダのA-OTHR計画全体の総事業費と同一視することはできない。カナダ政府は、BAE Systems Australiaが2026年7月1日に作業を始め、2029年12月までの初期運用能力獲得を支えるとしている。Stage 1では南オンタリオ州の送信サイトと暫定受信サイトが示されており、今後は残る恒久サイト、後続段階、豪加政府・企業の役割分担が焦点となる。

この案件は、完成済みのレーダーを単純に輸出する取引ではなく、研究開発、システム構築、長期運用を含む防衛産業協力として積み上がってきた。北極圏をめぐる安全保障環境が厳しさを増すなか、豪加関係は共同研究から実装、輸出、運用支援を伴う段階へ移りつつある。

参考・出典

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