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米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドによる機密情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」の関係機関は2026年6月3日、共同警告文書「Safeguarding Our Secrets」を公表した。中国の軍事情報機関が職業ネットワークサイトやオンライン求人サービスを通じ、政府・軍関係者や機密または機微情報にアクセスできる人材を標的にしていると警告した。狙いは、ファイブ・アイズに対する戦略的・戦術的優位につながる軍事、政治、経済分野の機密性の高い情報の取得だとしている。
転職や相談を装うオンライン勧誘
標的は、一般の求職者全体ではない。政府機関や軍の関係者、職務上の経歴や人脈を通じて機密・機微情報に触れ得る人材が中心になる。警告文書は、安全保障、防衛、外交、情報、経済政策などの領域に関わる人材のほか、政府情報に間接的に触れる可能性がある研究者、記者、シンクタンク職員などもリスク対象として挙げている。
手口は、通常の転職活動や採用連絡、コンサルティング依頼に見える形を取る。偽装したコンサル会社、シンクタンク、人材企業などを名乗り、仕事の提案、専門知識への報酬、試用レポートの依頼などを通じて接触する。採用市場の自然なやり取りが、機密アクセス人材を探し出す導線として悪用される構図だ。
今回の警告は単発ではない。米国家防諜安全保障センター(NCSC)は2025年4月8日、現職・元米政府職員がコンサル会社、ヘッドハンター、シンクタンクなどを装う主体から、ソーシャルメディアや職業ネットワーク、オンライン求人サイト経由で接触される手口に注意を促していた。ファイブ・アイズ各国も2024年6月5日、中国が人民解放軍との関係を隠した民間企業を使い、西側の現職・元軍人を高額報酬で勧誘しているとして共同警告を出している。
5カ国でそろえた共通脅威認識
今回の共同警告は、各国の個別の注意喚起にとどまらず、ファイブ・アイズ全体が同じ日に足並みをそろえ、オンライン求人・人材勧誘サービスを使った対中スパイ活動リスクを前面に出した点が特徴だ。複数の主要報道は、この5カ国共同の警告を異例の動きと位置づけている。
中国駐英大使館の報道官は4日、この主張は完全な捏造で悪意ある中傷だとして反発したと報じられている。一方、警告文書は、偽装企業による求人広告、仮想面接、試用レポートの依頼、暗号化アプリへの移行、報酬支払いといった段階的な接触手口を例示している。対象も軍関係者に限らず、政府情報に間接的・周辺的に触れ得る人材まで含むため、各国の採用市場や専門家ネットワークにも警戒が求められる。
参考・出典
- Five Eyes security alliance warns of Chinese espionage threat | GMA News Online
- ONLINE TARGETING OF CURRENT & FORMER U.S. GOVERNMENT EMPLOYEES (PDF)
- FVEY Partners Warn of Evolving Efforts to Recruit Current and Former Western Service Members to Bolster the PRC’s Military | Office of the Director of National Intelligence
- DCSA report reveals foreign adversaries increasingly use résumés, job solicitations to steal U.S. technology > Defense Counterintelligence and Security Agency > News
