政府、フィジカルAIを成長戦略の重点に 10兆5000億円投資目標

フィジカルAI、2040年度に10.5兆円投資目標 成長戦略で重点分野に

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政府はロボットなどをAIで自律的に動かす「フィジカルAI」を成長戦略の重点分野に据え、2040年度までに10兆5000億円規模の官民投資目標を掲げる方向だ。2030年度までには1兆5000億円規模の予算措置案も浮上している。日本はハードウェアの強みを生かし、AIとものづくりの融合を競争力の柱に押し出す。

国家戦略化したAI政策の延長線

政府は2025年12月23日、AIを国家戦略として位置づける初の「人工知能基本計画」を閣議決定した。内閣府は2026年6月19日から23日まで、次期計画素案への意見募集も実施している。成長戦略の検討も17の戦略分野を軸に進める体制をとっており、フィジカルAIはその中で、単なる生成AIの利用拡大にとどまらない実装分野として扱われている。

フィジカルAIは、文章や画像を作るAIとは異なり、ロボットや設備を現実空間で動かすための技術だ。工場で部品をつかむ、倉庫で商品を仕分ける、既存の生産設備を自律的に制御するといった用途が想定される。政府の成長戦略会議資料でも、フィジカルAIは画像・音声・動画・各種センサーを統合し、現実世界を理解して行動を生成するAIと整理されている。廃棄物資源循環分野のBRIDGE事業では、2028年度にかけてパイロット施設でロボット制御や自動ピッキング技術の実証、処理能力や制御インターフェースの標準仕様書・調達要件の作成を進める。

AI・半導体分野では、経済産業省が2030年度までの7年間に10兆円以上の公的支援を行い、10年間で50兆円超の官民投資を促す枠組みをすでに示している。今回のフィジカルAI投資方針は、この大型支援策とロボティクス政策を接続し、AIをデータセンター内の技術から、工場や物流現場を動かす産業基盤へ広げる狙いがある。

焦点となる投資額と制度設計

今後の焦点は、2040年度までの10兆5000億円という規模がフィジカルAI単独の官民投資目標として明記されるのか、AI・半導体・ロボティクスをまたぐ政策パッケージの一部として整理されるのかだ。2030年度までの1兆5000億円規模についても、純粋なフィジカルAI向け予算なのか、関連施策を束ねた先行投資なのかで政策の意味合いは変わる。

政府資料では、特にAIロボットについて、2040年に世界シェア3割超を通じて20兆円の市場獲得を目指すとされている。最先端半導体や通信、電源などの基盤整備と一体で進めることで、AIを使う側に回るだけでなく、産業現場でAIを動かす仕組みそのものを国内の成長分野に育てる構想だ。

参考・出典

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