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住友ファーマの木村徹社長は2026年5月13日の2025年度決算説明会で、パーキンソン病向けのiPS細胞由来再生・細胞医薬品「アムシェプリ」について、2026年秋ごろの販売開始と、2026年内の1例目の移植を目指す考えを示した。3月に条件及び期限付承認を取得した製品が、制度上の承認段階から実際に患者へ届ける段階へ移り始めた形だ。
保険適用で実装段階へ
住友ファーマは、非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞「アムシェプリ」(一般的名称ラグネプロセル)について、2026年3月6日付で日本での製造販売承認を取得した。承認は条件及び期限付で、販売後も有効性や安全性に関するデータを積み重ねながら評価を進める枠組みである。
対象は、レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病患者の運動症状の改善だ。すべての患者の治療を置き換えるものではなく、従来薬で十分な改善が得られない患者に新たな選択肢を加える位置づけとなる。
中医協は2026年5月13日、アムシェプリを同月20日から公的医療保険の適用対象とすることを了承した。これにより、承認済みの再生医療等製品として、保険診療の枠組みで使うための制度面の前提が整う。
販売開始と初回移植は別の節目
秋ごろの販売開始は、製品の供給が始まる節目を意味する。一方、2026年内に目指す1例目の移植は、実際に患者へ細胞を投与する治療上の節目であり、両者は同じではない。販売開始後も、医療機関側の準備や患者選定を経て初回移植に進むとみられる。
今後の普及は、実施できる医療機関の範囲、供給体制、対象患者の選定手順などに左右される。iPS細胞由来の細胞を移植する治療は、通常の薬を処方する場合よりも、施設の体制や手技、術後管理の重要性が高い。
条件及び期限付承認の下では、市販後に有効性や安全性に関するデータを蓄積し、評価を続けることも重要になる。アムシェプリは、承認された製品から実際の治療選択肢へと進む局面に入り、保険適用後の運用体制づくりが次の課題となる。
